- 作者: 上西充子
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2019/05/25
- メディア: 単行本
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「文句を言うな」
「君だって一員なんだから」
「嫌なら辞めちゃえば?」
「母親なんだからしっかり」. . .
政権の欺瞞から日常のハラスメント問題まで、隠された「呪いの言葉」を
2018年度新語・流行語大賞ノミネート「ご飯論法」や
「国会PV(パブリックビューイング)」でも大注目の著者が
「あっ、そうか!」になるまで徹底的に解く!
(Amazonの紹介文から)
上の立場にいるものが、逆らいにくい立場にいるひとにいう言葉。上司と部下、先生と生徒、親と子、男と女、あるいは与党と野党。そのほか、世間という正体の見えない悪意からの誹謗中傷。
呪いの言葉は、ちまたにネットのなかにあふれています。しかも、どういうつもりか権力に味方して自分も強者になったつもりのアホが、権力側に立って弱いものを誹謗したりする。
浴びせられる言葉の威圧、抑圧、暴力の呪縛からどう自分を守るか。自分自身がその縛りにからめとられないように、防御する考え方は?
『呪いの言葉の解きかた』は、それにていねいに応える本。
書いたのは、法政大学の先生、上西充子さん。
働き方改革で提出されたデータにウソがあることを指摘したり、加藤勝信元厚生労働大臣の「質問に対する答弁のすりかえ」(安倍政権全体がやる論法、安倍首相も大得意!)を「ご飯論法」と名づけて、可視化したひとです(追記を参照してください)。
ご飯論法とは、上西充子さんの言葉を引用すれば、
「朝ごはんは食べたか」→「ご飯は食べてません(パンは食べたけど)」
といった、論法。
「知りません」「記憶にありません」と逃げ続けて、ついに尻尾(おっぽ)をつかまえられると、安倍政権が用いる「スリ逃げ」の手口を、上西さんは、「ご飯論法」と命名して、手口のカラクリを明らかにしてくれました。
その上西充子さんが、
「労働をめぐる呪いの言葉」
「ジェンダーをめぐる呪いの言葉」
「政治をめぐる呪いの言葉」
などについて、詳しくその実体のカラクリを解説し、呪いの縛りにとらわれない考え方を提案してくれます。読んでいながら、そうなんだよな、あのときそういう風に思えたらよかったんだ、と思いあたることがたくさんでてきます。
これからも、いろいろなところで直面する「呪いの言葉」。騙されないように読んでおきたいとおもう本でした。
★
[追記]
上西充子氏の、以下の断り書きがインターネットにあったので、あげておきます。
<追記>(2018年5月16日)
国会から不誠実答弁を追放すべく、「#ご飯論法」とハッシュタグをつけて積極的に拡散したのは筆者であるが、「ご飯論法」という表現じたいは筆者の命名ではなく、ツイッター上からいただいたものである。初出について、確認の上、改めて追って追記したい。
(「Yahoo!ニュース」より)
https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20180507-00084931/