4月15日(木)、晴れ。
池袋の「グランドシネマサンシャイン」へ、吉田圭輔監督、松山ケンイチ主演の『BLUE/ブルー』を見にいく。吉田圭輔監督は『さんかく』(2010年)という作品を見てから好きになった。中学生女子に翻弄される男のダメさ加減が、コミカルだけどリアルに描かれていた。
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ひさしぶりの池袋。電車は満員の通勤時間を少しはずれていたが、電車を降りるとホームや駅構内の通路は「密」状態になる。
サンシャイン通りを歩いて映画館へ。『BLUE/ブルー』の上映は、ビルの11階。時間が早いのでエレベーターは動いていない。
余裕をもたせないとあわてるので、早めにエスカレーターで、11階へあがる。
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ボクサーの瓜田(松山ケンイチ)は、ボクシングが大好きで、人柄もよく、ほかのボクサーに適切なアドバイスもできる。
ただ、実際の試合で勝てない。負け続けている。
ボクシング・ジムに入会してきた新人たちも、最初は彼のコーチに従っているが、試合で負け続ける瓜田に、「おれは勝てないボクサーに教えてもらいたくない」と蔑むようになる。
試合に負けても瓜田はくやしさを引きずることもなく、いつもとそれほどかわらない(ように見える)。新人に侮辱的な言葉をかけられても、怒ることもなく「そうだよなあ」といってしまう。
彼の後輩の小川(東出昌大)は才能があり、瓜田のアドバイスを受けながら、日本チャンピオンに挑戦するまでになる。
そして、瓜田が密かに恋をしていた千佳(木村文乃)は、いまその小川の恋人。
千佳は、瓜田を信頼しきっていて、なにかと小川のことを相談してくる。
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松山ケンイチがよかった。
女の子にかっこつけたくてボクシングを習いにくる楢崎(柄本時生)から、「プロになる気はないから、痛くないように、かっこいい型だけを教えて」(大意)、とコーチをたのまれるが、それでもバカにすることなく、彼にボクシングの基本を教える。
- 山下敦弘監督『マイ・バック・ページ』(2011年)=この映画大好き!
- 李相日(リサンイル)監督『怒り』(2016年)
- 森義隆監督『聖の青春』(2016年)
など、、、
印象に残っている出演作品はあるが、わたしはこんどの『BLUE/ブルー』の松山ケンイチがいちばん好き。
ボクシングが好きだけど、才能に恵まれなかった男の屈折した心情を、松山ケンイチがすばらしく演じている。
実力は日本チャンピオンに挑戦するまでありながら、瓜田を先輩として接する、小川を演じた東出昌大も、よかった。
そして、きれいな女性(ひと)だなあ、と前からおもっていたけれど、女優としては印象の薄かった木村文乃が、映画が進行していくにつれてどんどん輝いてくる。ヒロインとして申し分なし(笑)。
それにしても、、、
内心好きな女性(しかもいまは後輩の恋人)から、信頼されて相談ごとをもちかけられるなんて、こんな残酷なことはない(とおもう)。
やっぱり吉田圭輔監督の作品は、わたしの好みにあうな、って満足しながら映画館を出る。
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ふだんなら、どこか居酒屋(たぶん池袋で昼飲みなら「青龍」かな)でお昼を食べて帰るのだけど、コロナ禍の現状なので、まっすぐ東京田舎のアパートまでもどる。
モンゴル料理「あむ亭」で、ランチの麻婆定食(辛い!)を食べながら、ホッピーを飲んだ。