4月17日(土)、曇り。
朝一番で、「イオンシネマ板橋」へ、今泉力哉監督の『街の上で』を見にいく。
どんよりとしたいつ降るかわからない天気。
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「愛がなんだ」の今泉力哉監督が、下北沢を舞台に1人の青年と4人の女性たちの出会いをオリジナル脚本で描いた恋愛群像劇。下北沢の古着屋で働く青年・荒川青は、たまにライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったりしながら、基本的にひとりで行動している。生活圏は異常なほどに狭く、行動範囲も下北沢を出ることはない。そんな彼のもとに、自主映画への出演依頼という非日常的な出来事が舞い込む。
(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/91826/
結論からいえば、独創的で、最高にワクワクさせてくれる作品だった。予期していたより、3倍も5倍もおもしろかった。
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映画の舞台は、すべて下北沢。主人公の荒川青(若葉竜也)は、古着屋で働いている。
彼の行動範囲は、この街を出ない。
古本屋、レンタルDVD屋、コーヒー・ショップ、洋風の酒場、ライブハウス‥‥それが、彼の生活空間。
映画に登場する下北沢は、リアルでありながら、メルフェンの香りが漂う。こんな街に住んでみたい、とおもってしまう。若者たちの「柴又」‥‥というと怒られそうだけど(笑)。
荒川青は、すべて言動が受け身。相手から何かを話しかけられても、即答できず戸惑う。だから、会話に間合いができる。
その空気感が、この作品の基調になっている。
YouTubeを見ていたら、今泉力哉監督が、山下敦弘監督の言葉として、「ドラマ=気まずさ」だといっていた、と話していた。
ふつうは、「ドラマ=対立・葛藤」ではないだろうか?
山下敦弘監督作品には、言葉をつまらせたり、感情を伝えるのが下手だったりする人物が登場する。颯爽としたり、能弁だったり、要領のいい人間は、まず出てこない。
だから、なるほど、とおもった。
今泉力哉監督の描く人物も、山下敦弘監督の「ドラマ=気まずさ」を継承しているように感じられた。
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若葉竜也が、すごくいい!
予告編の冒頭にちょっと出てくるけど、中田青渚(なかた・せいな=可愛い!)と若葉竜也が、テーブルをはさみ、長回しでボソボソ会話するシーンは、名場面のひとつ。たしか、このあと、10分以上続く(もっと? 何分だろうな。とにかく長い!)。
観客席から、なんども笑いが起こった。吹き出してしまう名場面がずいしょに出てくる。人物が真面目だから、よけいおかしい!
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こんな楽しくて可愛らしい映画、そうそう出会えるものではない、と気持ちがはずんで、家に帰ってからも、興奮して映画の話ばかりした。
妻も、わたしの宣伝にのって、「見たい」といったので、埼玉の映画館を検索してみたら、なんと、6月5日(土)〜6月18日(金)の「川越スカラ座」しかやってない。
「なんでー」といっときは、ガクンときたが、少し熱を冷ましてからもう一度見られるのなら、それもいいとおもうことにした。