9月23日(日)。
「イオンシネマ板橋」へ、荻上直子監督、松山ケンイチ主演『川っペリムコリッタ』を見にいく。
上映13時40分より。
北陸の小さな町にある小さな塩辛工場で働き口を見つけた山田は、社長から紹介された古い安アパート「ハイツムコリッタ」で暮らし始める。できるだけ人と関わることなく、ひっそりと生きたいと思っていた山田の静かな日常が、隣の部屋に住む島田が「風呂を貸してほしい」と山田を訪ねてきたことから一変する。
(「映画.com」から)
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ゆったりしたテンポ。おっとりした笑い。荻上直子は、わたしの好きな監督のひとり。
舞台は川っぺりの安アパート。アパートというより、むしろ長屋。
近くには、家具や使わなくなった電気製品などが山積みになって捨ててある。長屋は、そんなところにある。
大家さんは、夫を亡くした若い未亡人・南詩織(満島ひかり)。
詐欺罪にまきこまれて出所してきた山田たけし(松山ケンイチ)は、工場への就職と、この長屋アパートを斡旋された。
長屋には、前の庭で野菜を育てている無職の島田幸三(ムロツヨシ)がいる。彼は給湯器が故障しているからといって、お風呂を借りにくる。ついでに勝手にご飯も食べていくが、おかずの野菜を持参してくる。
またこのアパートには、墓石の営業をやっているセールスマン父子(父=吉岡秀隆、子供の役者名はわからない)がいる。ちょっとしたインテリ風の父子で、ふたりで協力しながら墓石のセールスしているが、なかなか売れない。
そんな奇妙な住人(大家さんも)たちを描いた小さな物語だ。
黒澤明の『どですかでん』(1970年公開)という長屋の住人たちを描いた映画があった。雰囲気が、少し似ている。
『どですかでん』には、実現不可能な未来の夢ばかり語る父と、それを知りながら話の聞き手になっている優しい息子の、ホームレス父子が登場する。
それとセールスマン父子がダブったからかもしれない。いい味を出している。
松山ケンイチは、内向的な青年を演じるのがうまいのを、吉田恵輔監督のボクシング映画『BLUE ブルー』(2021年製作)を見てから知った。内気ななかに、哀愁のまじったユーモアが感じられるのが好き。
満島ひかりは好きな女優だから、出ているだけでうれしい(笑)。
貧乏長屋の大家さんをやっても美しい(なにげない普段着が似合うのだ)。
4〜5年に1作くらいのペースで映画を公開する荻上直子監督。独特の世界観。
『かもめ食堂』(2006年公開)、『めがね』(2007年公開)以来、ずっと見ている。
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帰りお好み焼きや焼きそばやたこ焼きでお酒を飲ませてくれる駅前のお店へはいって飲む。生ビールの「大」と生ビールの「中」を2杯。
『川っぺりのムコリッタ』をタブレットで検索してみる。