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蒼子は、高収入の都会的な男性・佐々木と、料理屋の板前さんで蒼子に結婚を申し込んできた河見と、どちらと結婚するか迷っていた。
河見から、郷里の福岡に帰るので一緒にきてくれませんか、と蒼子の気持ちを確かめられるが、蒼子はうなずくことができない。
河見は失意のままひとり福岡に帰った。
蒼子は佐々木と結婚し、高層ビルの高級マンションに住み、暮らしの心配をすることないリッチな生活を送っている。しかし、佐々木には蒼子と結婚する前から恋人がいた。結婚してまもなく、佐々木はその恋人の家に泊まることが多くなり、蒼子との夫婦関係は冷えていく。
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蒼子は、サイパンへ旅行した帰り、台風の影響で、飛行機が、福岡空港へ寄ることになった。
そこで自分とそっくりのもうひとりの「蒼子B」に出会う。「蒼子B」は、かつて好きだった・河見と結婚していた。
世の中には、自分とそっくり同じ「自分」がいる、
というドッペルゲンガーの伝説をもとに、ちがう人生を選択した「蒼子A」と「蒼子B」が、互いに「選ばなかった人生」を、1ヶ月だけ交換する・・・。
この小説のおもしろさは、むしろ、このあとの展開にある。
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久しぶりの山本文緒(やまもと・ふみお)作品。軽快でおもしろく読めた。