12月29日(水)、晴れ。
新宿三丁目の「シネマート新宿」へ、韓国映画『雨とあなたの物語』(チョ・ジンモ監督)を見にいく。2021年、最後に映画館で見る作品になりそう。
早く着いたので、隣りの「ルノアール」でコーヒーとモーニングセット。山本文緒の『自転しながら好転する』を読了(Kindle版)。
年下のヤンキー風な男を好きになっていく主人公(女性)の心の変化が興味深かった。
はじめてのデートですぐに男の部屋へついていき、からだの関係をもつ。しかし、彼女が身持ちの悪い女性というわけではない。そこから、紆余曲折の恋愛がはじまる。
小説の初めと最後に、本編とは違う時間軸が出てくる。本編をはさむ額縁のようなもの。これで小説の「起」と「結」はクッキリするけれど、わたし個人は、技巧的すぎる、と感じる。
しかし、あった方がいい、とおもうひとの方が多いかもしれないので、作品の欠点とはいえない。
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まだスマートフォンもSNSもなかった2003年韓国。浪人生のヨンホ(カン・ハヌル)が送った手紙を古書店で働くソヒ(チョン・ウヒ)が受け取ったことから2人を取り巻く日常が彩り始める、青春時代の煌めきを丁寧に映し出した心に染みわたるラブストーリー。
『雨とあなたの物語』公式サイトよりhttps://synca.jp/ametoanata/
ロマンチックなラブ・ストーリー。浪人生ヨンホ役のカン・ハヌルはイケメンで、ソヒ役のチョン・ウヒはとっても美しい。
小学生のころ、かけっこで転び、膝を擦りむいたヨンホにハンカチを貸してくれた少女がいた。ヨンホは浪人生になっても、その少女のことが忘れられない。そして思い切って手紙を出す。彼女から返事は来たが、、、
そこには、
「質問しない」、「会いたいと言わない」、そして「会いに来ない」と書かれていた。
それには理由があった(ストーリーの都合上、省略します)。
ふたりは、逢わないまま、手紙の交換がはじまる。退屈な毎日が、心煌めくような日々に変わっていく。
ヨンホは、いつか成長した「少女」と逢える日を待ち続けながら・・・。
この映画からふたつの印象が強く残った。
ソヒ役のチョン・ウヒの可憐な美しさ。
そして、作品としては切ない物語なのに、日本映画にありがちな涙の押しつけがない。ヨンホもソヒも、笑顔は見せても泣き顔を見せない。その清々しさ。ふたりの心情に共感できた。
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12月29日、もうすぐ2021年が終わる。今年もなんとか生き延びたな、なんて思いながら、立飲み「H屋」へ寄る。