映画『こちらあみ子』。
7月27日(水)、快晴。暑い。
久しぶり新宿駅東口の地下にある「ベルク」へ寄る。カレーとコーヒーのセット。
「新宿武蔵野館」は、新宿駅から地下を通って直通で行けるので、こういう暑い日は助かる。
水曜日は「サービスデイ」。映画館は混んでいた。14時45分から上映スタート。
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芥川賞作家・今村夏子が2010年に発表したデビュー小説を映画化。広島で暮らす小学5年生のあみ子。少し風変わりな彼女は、家族を優しく見守る父と、書道教室の先生でお腹に赤ちゃんがいる母、一緒に登下校してくれる兄、憧れの存在である同級生の男の子のり君ら、多くの人たちに囲まれて元気に過ごしていた。そんな彼女のあまりにも純粋で素直な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていく。
(「映画.com」より)
あみ子のことを「あまりにも純粋で素直な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていく」と比較的肯定的に形容しているけど、実際に見た感じは「空気を読めない変わった女の子」といった感じ。
あみ子の義母(尾野真千子)は、父(井浦新)が再婚した女性。新たな赤ちゃんが死産だったことと、あみ子が馴染んでくれないことで心を病んでいる。
あみ子は小学5年生。行動パターンが独自で、同級生と歩調があわない。だからいつも単独行動だけれど、あみ子はべつに苦にしていないようだ。
自由に、というか、心のままに行動する。
あみ子役に、映画初出演にして主演の大沢一菜(おおさわ・かな)。ちょっとおかしな小五の女の子を自然に(そう見える)演じている。
後半ちょっと泣けてくるけど、大沢一菜の、のっぺりした表情が、センチメンタルな余韻から救ってくれる。
わたしの好きなタイプの作品。見てよかった。
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映画が終わると、午後5時をすぎていた。
コロナが新しい感染者をふやしているので、新宿ではなく、アパートのある駅までもどり、最近町にできたお刺身のおいしい居酒屋へ寄る。
刺身で一杯やりながら、鮫島浩著『朝日新聞政治部』を読む。
元朝日新聞記者だった著者が、自分の記者時代の話から、会社を辞めることになるまでの経緯を事細かに書いている。
興味あるひとには、朝日新聞社の内部の様子がわかる。
そして、いま朝日新聞が、どこからどうダメになっていったのか、ひとつの具体的な解釈を提示していて、おもしろい。
上司から部下まで、ほとんど実名で登場させている。
しかし、いわゆる告発本の類ではない。