10月5日(水)。
午後12時35分から「イオンシネマ板橋」へ、タナダ・ユキ監督、永野芽郁(ながの・めい)主演の『マイ・ブロークン・マリコ』を見にいく。
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つっぱった、というか、一匹狼、というか、中学からタバコをパクパク吸う女子学生と、小さな頃から実の父からDVを受けて、からだに痣や傷がたえない同級生の友情物語。
マリコの遺骨(マリコの両親から略奪)とシイノ・トモヨ(永野芽郁)の二人旅が物語の中心になる。
マリコが生前行きたいといっていた海のある「まりがおか岬」へ「生きているシイノ」と「遺骨のマリコ」がいく。
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日々、家庭内暴力に怯えるマリコにとって、シイノは自由に生きる憧れのひとだった。
マリコは、もしシイノが彼氏でもつくったら自殺する、と迫る。
シイノは、「メンドクセー」とふててみせる。
とはいえ、シイノもひとりだった。一匹狼のシイノには友だちも子分もいない。「メンドクセー・マリコ」だけが本心で話しあえる友だちだった。
「なぜもっと早くマリコを救い出せなかったか」と後悔が残る。
シイノは、マリコの遺骨を持ち、話しかけ(しばしば回想シーンでマリコは登場する)、慟哭しながら「まりがおか岬」へ向かう。
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いいな、とおもったシーンをひとつ切り抜き。
マリコからこんな手紙が届いた(回想のシーン)。
「こんにちわ!
シイちゃんと同じ級になれてうれしいです。
シイちゃんは、いつもタバコ吸っているけど、いいにおい。どうしてだろ‥‥?」
シイノは泣きながら遺骨に答える(現在)。
「‥‥匂いで先公にバレないように、トイレの消臭スプレーを持ち歩いてたからだよ」
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原作は、平庫ワカ(ひらこ・わか)のコミック。映画を見たあと読んでみた。映画の印象とそれほどちがわなかった。原作の味わいを映画も出しているとおもう。
シイノを演じたのが永野芽郁(ながの・めい)。
原作ほど過激な女性ではないが、永野芽郁の魅力がシイノに反映するのには、このくらいでいいのかもしれない。やさぐれてもかわいい。それに、原作のシイノも、本心をのぞいてみれば、つっぱっていても、まっすぐなやさしい女性のようにおもえるし。
マリコを演じた奈緒。吉野竜平監督の『君は永遠にそいつらより若い』(2021年公開)でも、同じくDVを受けた過去をもつ女性を演じていた。寂しそうな顔が印象に残る。
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骨壷に話しかけるからそうなるのだろうけど、永野芽郁の「ひとり言」が多い。心の声ならいいけれど、口をひらいて声を出していう。
『マイ・ブロークン・マリコ』に限らず、ドラマや映画を見ていると、登場人物の心理を説明するため、「ひとり言」をいわせるシーンをよく見る。
自分のそばにいるひとがこんなに「ひとり言」をいったら、実際気持ち悪い。
これがドラマや映画を見ていて、気になってしかたがない。心の声でとどまらせることはできないのかな?
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アパートでひと寝入りしてから、近くの居酒屋へ向かう。