かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

石井克人監督作品「茶の味」と行定勲監督の「きょうのできごと」

茶の味 グッドテイスト・エディション [DVD]
3月○○日、仕事明けで池袋の新文芸座へ行く。石井克人監督作品「茶の味」行定勲監督の「きょうのできごと」の2本立て。「茶の味」は、ずっと気になっていた作品。やっと見れました。美しい田舎を舞台に淡々とした描写が続くかと思いきや、予想外の不思議な映像が飛び出してくる。作品のバランスをこわしかねない、この不思議感覚が、楽しい。

役者は子役の女の子(坂野真弥)、高校生の男の子(佐藤貴広)も自然な感じがいい。日本の子役って昔は外国映画に較べて下手だなあ、と思っていたけど、このところ日本映画のいい作品を見ていると、子役のうまいのにびっくりする。「誰も知らない」は兄弟姉妹の子供たちが全員うまかった。

浅野忠信のボソボソ演技もいいな。昔好きだった中島朋子とのやりとりなど、実際に思いがけなく、初恋の人にあったらこんな感じかもしれない。風景の描写も美しい。

「きょうのできごと」も期待してなかったのに、おもしろかった。学生たちが集まって、大学院合格のお祝いをやるけど、その一人一人の描きこみが露骨でなくていい。どの登場人物もちょうどいいくらいで、やりすぎていないのがよかった。1日のできごとを凝縮して描いているが、どれも爽やかな視線で、見終わった後味も悪くない。こういうさりげない映画がもっと評価されたらいいのに【END】