かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

本朝聊斎志異〓狐や幽霊と人間が織り成す華麗な物語

本朝聊斎志異小林恭二著「本朝聊斎志異

昔中国の原典(翻訳ですが)を長い時間をかけて読んだことがあります。

こちらは作家小林恭二が話を抜粋して、すべて舞台を日本に置き換えたものです。人間と狐や幽霊(鬼)との交流がどこかあたたかく描かれています。怖い怪談ではなく、ちょっと心が癒されるような幽霊話といえるでしょうか。

それにしても奔放な発想と、現代からは奇抜におもえる展開は、現代小説ではとうてい味わえぬもの。こんな美人狐となら恋愛もしてみたい、などとちょっと浮気心を抱きながら楽しい読書の時間に浸れます。

現代の日本の作家が書き改めたものだけに、話の展開も文章もわかりやすく、むかし原典の翻訳で読んだものよりもおもしろく読めました【END】