かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ビートルズとの出会い方

THE BEATLES 1
モスコさんの「Good Timin'」を拝見していたら、こんな文章が出ていました。

中学生のいとこから、夏休みの課題が音楽鑑賞なので、なにかビートルズのCDを送ってほしいとの連絡が入った。

モスコさんは、何を推薦するか悩みます(みなさんも、覚えがあるのでは<笑>)。

おぉっ!何にしよう!?『アビー・ロード』はビートルズを初めてちゃんと聴くアルバムにしては少しヘビーだよなぁ、かと言って『プリーズ・プリーズ・ミー』も違うっしょー。でもでも『ラバーソウル』『リボルバー』もなぁ、違う気が・・・。そういうのは好きになった後に楽しんでただくとして・・・。あ、分かった!『ア・ハード・デイズ・ナイト』だ!

と、推薦盤がめでたく決まりかけたところ、いとこさんにはリクエストに条件が、、、

「“エスタデイ“とか“レット・イット・ビー“とか自分でも知ってるような有名な曲が入ってるのがいい」

となると、これはもう‥‥

・・・はい。そうですね。『1』にしとくよ(ちぇっ、オリジナル・アルバムはダメなのか〜!でも例に挙げられていたのが全てポール作品で、ムフフ)

となるしかありませんですね、はい(笑)。

The Beatles 1967-1970
ビートルズ・ファンは第一にオリジナル・アルバムしか思い浮かびませんが、最初の入門者はやっぱりベスト盤がいいようで、それであの『1』の驚異的な売れ行きもわかる、というものです。

そもそも、モスコさんじたいは、何からビートルズに入ったのでしょうか。

で、父が「ある」と言って出してきてくれたのが、青盤のカセット・テープでした。

コピーしたものでなくて、東芝が出してる正規のカセット・テープ。ただしケースは失われていて、中身を裸でぽろっと渡された。昔レコードを何枚か持っていたけど、その時はもうそのアルバムのテープしか手元には残っていなかったようです。

ジャケが無かったお陰で、イメージというものが殆どないまま、しばらくビートルズを聴き続けることとなりました。

でも、今思えば青盤のジャケは無くて正解だったかもしんない。ひげ面おっさん4人がヘラヘラと上から見下ろして笑ってるんだもん。子供には怖いよ。

まぁ、そんなカンジでその青盤テープを手に入れてからは、私のラジカセから、ビートルズばっかし流れるようになりました。

モスコさん自身も、実は70年代の超人気ベスト盤であった『青盤』だったんですね(笑)。『赤盤』、『青盤』は各2枚組ずつの豪華セット、当時LPで4枚組でした。入門盤とはいえ、買うには勇気がいります。でも、そこからビートルズ雄大な世界が啓けてくると思えば高くないのかな? 

70年代は、この赤・青からビートルズに入ったひとがおおい。もっとも、中にはウイングス→ビートルズ、なんてコースもあったとおもいますけど。

ぼくらの時代(60年代組)、特にぼくがビートルズを知ったのは1964年の初夏ですから、ベスト盤はありませんでした。でも、ビートルズ日本デビュー盤ミート・ザ・ビートルズ』(邦題:『ビートルズ!』。日本盤に邦題はおかしいけど、当時みんな普通は『ミート・ザ・ビートルズ』って呼んでましたよ)は、いわばそれまでイギリスで出ていたビートルズのシングル、アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』、『ウイズザ・ビートルズ』からおいしいところを抜き出した一種のベスト盤でした。
 

◆帯の下には「MEET THE BEATLES
 と書かれています。

曲の構成は、以下のとおりです。

SIDE A
01)抱きしめたい
02)シー・ラヴズ・ユー
03)フロム・ミー・トゥ・ユー
04)ツイスト・アンド・シャウト              
05)ラヴ・ミー・ドゥー
06)ベイビー・イッツ・ユー
07)ドント・バザー・ミー

SIDE B
01)プリーズ・プリーズ・ミー
02)アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア
03)P.S.アイ・ラヴ・ユー
04)リトゥル・チャイルド (原文のまま)
05)オール・マイ・ラヴィング
06)ホールド・ミー・タイト
07)プリーズ・ミスター・ポストマン

A面は特にそうですが、疾風怒涛の初期ベスト盤の構成になっています。で、ぼくが最初にこれを買ったか、というと実はそうではありませんでした。というのは、日本ではビートルズのシングル盤が林立して、ほとんど全曲そろえられたのではないか、と思えるほど発売されていたのですね。それをひょいひょい買っていました。シングルなら300円くらいだったはずですから。

あとで後悔することになるのですが、LPを買うのは高い時代だったんですね。たしか1200円か1500円したはずですから、現在輸入盤を買うのと、あまり変わってないでしょ。だから、当時LP1枚買うのは大変だったんです。
 

夏に映画『ビートルズがやってくるヤア!ヤア!ヤア!』が劇場公開。ぼくは、映画のビートルズに夢中でした。ロード・ショーに繰り返し、足を運び、その後は二番館、三番館(今の名画座ですね)で「ヤア!ヤア!ヤア!」を追いかけました。

で、最初に買ったのは、このサントラ盤(イギリス・オリジナル盤と同じ)でした。曲にダブりがないから決断がつけやすかったわけですね(笑)。モスコさんが、最初にいとこさんに薦めようとしたアルバムでした。

それから結局、シングルでほとんど持っているにもかかわらず、日本盤『ミート・ザ・ビートルズ』を買いました。そして、日本盤『ビートルズNO.2』。もう、1曲でも聴きのがしてはならんぞ‥‥という状態でございました。

 買ってみれば、どれもすばらしい内容で、これでは、
 「レコード出たら買うっきゃねえじゃん」
 と、映画「下妻物語」の土屋アンナみたいに、呟いてみるしかありません(笑)。

そんなわけで、半ばベスト盤を兼ねていた日本盤『ビートルズ!』は60年代の入門盤ということになりそうですが、やっぱりあの時代、ぼくらがビートルズに接した最初は、おびただしく発売されたシングル盤だったでしょうか。

さて、ぼくは「ビートルズのCD1枚買うなら何がいい?」と質問されたら何を推薦するでしょうか。考え出すと、悩ましくなります(笑)。

やっぱり『1』ってことになるのかなあ?