かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

クラプトンに続き、ポール、ストーンズが新作を発表!

Chaos And Creation In The Back Yard(完全初回生産限定盤DVD付)(CCCD)
待ちに待ったポール・マッカートニーのニュー・アルバム『カオス・アンド・クリエーション・イン・バ・バック・ヤード』の中身は、バラード作品集でした。まだそれほど聴きこんでいませんが、「珠玉のマッカートニー・バラードを集めてみました」という感じです。みなさん、いかがですか。

アルバムのニュースとしては、最初現在のツアー・バンドとレコーディングしている、という早い情報がありましたが、その後全部の楽器をポールひとりで演奏している、という両極端なものに変わりました。結果は、やはり新しい情報通りに、ひとりですべての楽器を演奏しているようです。

ポールがひとりで全部演奏しているというと、『マッカートニー』や『マッカートニー 2』を連想しますけど、実際聴いてみると印象はずいぶん違います。『マッカートニー』のような「倉庫で録音しました、ナマのとりたてサウンドです」というような荒削りな感じはありませんし、『マッカートニー 2』のような、「シンセでチャカチャカ楽しみました」という遊び感覚もありません。むしろ、グッと落ち着いた渋い感じの仕上がりです。それはそれでいいのですが‥‥、

しかし、やっぱりぼくは、現在のポールのライヴ・ステージとのギャップを感じています。ついにビートルズ時代の「ヘルター・スケルター」をセット・リストに加え、いよいよロックンローラーポール・マッカートニーの真価爆発! というときに、なぜ新作がこのバラード・アルバムなのか? 最初のニュース通り、元気なツアー・バンドとともにゴリゴリの新作ロックンロール・アルバムをつくることはできなかったのか。ちょっと不満がくすぶっています。ちょっとだけですけどね(笑)。

ア・ビガー・バン (CCCD)
一方アルバムのしょっぱなから「いいぞ、ストーンズ!」と叫びたくなったのがローリング・ストーンズのニュー・アルバム『ア・ビガー・バン』です。実に痛快。1曲目の「ラフ・ジャスティス」からグングン迫ってきます。彼らはなんてみずみずしいサウンドをいまも創造できるのか。

咽頭癌の手術を受けたとか、病気の噂をきいて心配していましたが、チャーリー・ワッツのドラムは実に元気で、これならツアーも心配なさそう。キースとロンの2台のギターはうなりをあげているし、ミックのヴォーカルはますます味わいを増しているような気がします。ストーンズの原点であるきびきびしたギター・サウンドを押し出した新作は、ぼくには20年前の『ダーティ・ワーク』以来の快作のように感じられました。

それぞれ新作アルバムへの第一印象はそんな感じですが、来年はいよいよポールもストーンズも来日公演が噂されています。アルバムは、アルバムとして、またライヴはライヴで受ける印象はちがってきます。いずれにしても2006年は彼らの動向が楽しみです。いまから、コンサート代を溜めとかなきゃ。