かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

「男はつらいよ 柴又慕情」を見る

男はつらいよ 柴又慕情 [DVD]
BSの寅さんシリーズに刺激されて、また寅さん映画を見ています。今日はシリーズ第9作の「柴又慕情」。寅さんが吉永小百合のマドンナ、歌子さんに恋する話です。

吉永小百合さんがまだ若いですね。寅さんは、歌子さんに一直線に恋しますけど、思わせぶりに寅さんを惹きつけながら、小百合さんのマドンナは、結局寅さんをふってしまう。それだけではなく、寅さんの自分への愛情に気づきもしません。これは、ringo-starrさんが「リンゴ日記」で、次のようにご指摘しているのに同感です。

寅さんがふられるのは、いつもどおりだけど、今夜は、特に可哀想に思いました。それとなく寅さんの気持ちを察して、寅さんを気の毒に思って気兼ねをするマドンナが多かったですが、吉永小百合のマドンナは、全くそれには気がつかないのか、純真無垢といえばいいのかも知れないけど、寅さんが、とても気の毒でした。「私が結婚を決意して幸せになれるのは、寅さんに会ったお陰」と言って泣く姿を見て、白けてしまったほどです。

少女(でもないですけど)のもつ鈍感さが、男性を傷つける典型的な1例のような気がします。彼女らは、自分がどれだけ男性に対して残酷なことをしているか、気づきもしない。

ただ「柴又慕情」は笑えますね。旅先の女性たちとの爆笑には、少しムリがあるような気がしますけど、「とらや」にいる寅さんひとりのところへ歌子さんが訪ねてきての、寅さんのどうしようもないあがりぶり(笑)……渥美清の演技は神業的です。

個人的には吉永小百合の薄幸のマドンナ、演技の硬さがものすごく目立ってしまうような気がして……しかし、渥美清の神業演技に一歩もひけをとらない見事な受けの演技をみせるのが、倍賞千恵子ですね。倍賞千恵子の受けの演技はうまいなあ。