かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

シドニー・ポラック監督「ザ・インタープリター」

ザ・インタープリター [DVD]
ぼくは、日常のこまごました、というか、テーマが小さなものの方が映画は好きなのです。ですから国連を舞台に、ある国の大統領の暗殺計画があって、それを阻止しなければならない、‥‥なんて展開の映画はあまり見たい意欲がわきません(笑)。

それでも見たのは、今映画のたびに違う役柄に挑戦して、ノリにノってるニコール・キッドマンを見たかったから(笑)。ミーハー根性丸出しの動機です。

民衆を救うために登場したスラム出身の大統領(架空の国が設定されている)が、権力を握ると独裁者に変貌し、血の粛正をはじめる(どこかにありそうな怖い話)。その国では少年までが銃を持ち、命令を受けると平然と殺人をする。町のある場所には、銃殺、撲殺、焼殺‥‥さまざまな方法で処刑された死体が腐臭を放っている。繰り返しますけど、架空の国ですよ。でも、なんか生々しいな。

ニコール・キッドマンが演じるシルヴィアは国連に通訳として勤務しているが、すでに彼女の両親も大統領の粛正の犠牲になっている。彼女の家族も、かっては現在の独裁者に民衆救済の希望を託して、彼を支持してきたのだが‥‥。

シルヴィアの心には家族への復讐の思いが燃え盛っている。あまりストーリーをしゃべるとネタばれになるので、内容はこれくらいにしましょう。ブログでストーリーを説明しても仕方ないもんな(笑)。

全般にこの手のテーマは、たくさんの人物の関係が錯綜してくると、誰が味方で誰が敵なのか、よくわからなくなる(ぼくだけか?)。それでも見てれば、大体話は解決するのでかまわないのですが、映画の内容を他者に説明するときは困ってしまいますね。

さて、おめあてのニコール・キッドマンですが(笑)、心の傷を隠して、密かに同朋や家族の復讐を果たそうとする暗い女性を魅力的に演じている。復讐を秘めた女性を演じるキッドマンの凄惨な美しさは、すばらしい(なんという意味のわかりにくい文だろ)。

暗殺を阻止する警護役のショーン・ペーンとのからみも緊迫感があります。ショーン・ペンも、「ミスティック・リバー」などは、オーバー演技でちょっといやだったですけど、ここではギリギリ耐えられました(笑)。ギリギリのところで、うまい!(誉めてるんですよ)

久しぶりに見るサスペンス映画だけど、楽しめました。でも、女優がニコール・キッドマンでなかったら、どうだろう?(笑)