かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

河瀬直美監督『殯の森』(2007年)


録画されたDVDで見ました。

まずは、タイトルの読みがむずかしい。「殯」は、<もがり>と読むんですね。はじめて知りました。そんな程度の知識で見た感想ですが……。

最初に老人施設での様子がノンフィクションのように映されます。会話もただそこで登場する人物たちが勝手にしゃべっているのを撮影しているだけのようで……そこがちょっとおもしろいな、とおもいました。こういうおもしろさは、自然体の会話と大部分は無言劇だった『誰も知らない』を連想させました。

しかし、認知症の老人と介護師さんの二人だけのドラマになると、そういう新鮮さは薄れ、最初は気持ちの通わない二人のなかに、共感が育っていくことはわかっていることでもあり、正直少々退屈でした。少し演出が過剰にも感じました。

『誰も知らない』と同じくノンフィクション映画出身の監督らしい特徴が出ているとおもいましたが、『誰も知らない』のような新鮮な魅力は感じませんでした。