貧しい馬方の娘として生まれた一子(かずこ)が、度重なる不幸な境遇を暖かい友情と恩師の励ましで乗り越え、力強く生きて行く様を描いている。
現代では失われてしまった子供達の友情や、貧富の差による差別問題を真正面から捉えたこの作品は、近年になって小学校の授業や人権問題を扱った講座などでしばしば上映されており、常に会場を熱い感動で一杯にしている。隠れた名作と言えよう。
(カセット・ケースより、佐藤忠男の解説)
無声映画を松田春翠の活弁で見ました。活弁で無声映画を見るのは、クセになるような快感があります。
貧しい少女が、裕福だけれどからだの弱い友達と励ましあいながら、貧乏に負けず生きていく姿が描かれています。描き方は、教条的で、担任教師の教訓も、凡庸ですが、昭和5年、映画創世記ですから、あまり彫の深い内容を望んでもムリでしょう。
昭和初期の小学校の様子が映像で見られます。教室の様子、運動会、卒業式など。
ぼくは昭和24年の生まれですが、学校の校舎といい、運動会の様子といい、映画の中とあまりかわっておりませんでした。
ただ、主人公の一子(かずこ)は、運動着が買えずに、着物のまま運動会で走りますが、さすがにぼくの時代にはそんな光景はなかったとおもいます。