天性の魔性の女なのか、巧妙な手練手管なのか、年下の男性を思いのままに翻弄するのが、無邪気な顔をした永作博美演じるユリ。
心身ともに、彼女のとりこになってしまうのが、美学生の磯貝みるめ(松山ケンイチ)。
この美術学校の学生が、年上の女性に惹かれ、彼女のことで頭がいっぱいになっていく過程も、きちんと描写されているとおもいました。
ひそかに好きな男性が、わけのわからない年上の女性に心を奪われていくのをみていて、穏やかでないのが同じ美術学校へ通う蒼井優。
好きな同級生の失恋に心を痛める女性を、蒼井優が、類型的なシチュエーションを忘れてしまうくらい瑞々しく演じていて、彼女のうまさと魅力は、抜群でした。
ひとつひとつの感情が説明的なセリフではなく、彼女の小さな表情の変化やからだの動きで表現されていくのは、鮮やかで信じられないくらいです。
二人の女優の共演、見ごたえがありました。