かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

リンゴ・スターを中心に見た70年代のビートルズ


70年代にはいっても、リンゴを中心にしてビートルズはそれぞれに公私の交流を続けていました。



ジョージは、ジョンのアルバム『イマジン』に参加。何曲かで印象的で美しいギターを弾いています。


リンゴは、ジョンのアルバム『ジョンの魂』に、全面協力。ギター、ピアノ、ベース、ドラム・・・と、音が少ないので、リンゴのドラムはアルバム全体で大活躍していました。


ジョージとリンゴは、ビートルズ以来の厚い交遊が70年代になっても、そのまま続いています。


リンゴの初の大ヒット曲「明日への願い(It don't come easy)」では、曲づくりや、プロデュースにジョージが参加しました。


ジョージは「バングラデッシュのコンサート」を企画したとき、一番先にリンゴに声をかけていますが(ジョージはビートルズの他の二人にも声をかけている)、リンゴは真っ先に参加を表明して、ジョージの大きなイベントの企画を支えました。またジョージの大ヒット・アルバム『オール・シングス・マスト・パス』でも、数曲でドラムを叩いています。


裁判でもジョン、ジョージ、リンゴ対ポールという対立があったように、ポールだけが他の3人と隔絶した関係になっていましたが、リンゴがアルバム『リンゴ』で、曲の提供を依頼したとき、どうして自分のアルバムのなかに収録しなかったか不思議なくらいの素晴らしい曲「シックス・オクロック」をプレゼントしました。



リンゴの70年代の傑作アルバム『リンゴ』には、ジョージをはじめ、ジョン、ポールが曲と演奏、コーラスで参加。アルバム上のビートルズ再結成が行われ、大きな話題になりました。しかも、ビートルズの3人は、それぞれ、個性的な素晴らしい曲をリンゴにプレゼントしました。


ジョージとリンゴが共作した「フォトグラフ」はとても美しい曲で、シングル発売するとNo.1ヒットになっています。リンゴはいまでも、よくこれをジョージとの想い出の曲として歌っています。



ジョンの「アイム・ザ・グレイテスト」は、ジョン自身「これをおれが歌うとシャレにならないけど、リンゴが歌えばおもしろいとおもった」というとおりの、ちょっとコミカルな曲で、この曲では<3/4ビートルズ>・・・リンゴ、ジョン、ジョージの共演が実現しています。


ポールのプレゼントした「シックス・オクロック」は傑作です。哀切感のあるメロディラインはポールそのもので、後半部リンゴのリード・ヴォーカルにかぶさってくるポールとリンダのコーラスを聴いたとき、仲たがいしていたポールと他のメンバーとの雪解けのような気がして、胸が熱くなりました。




■映像テーマ「Wiht a little help from my freinds」


(映像と音はタイトルをクリックしてください)


●「明日への願い」:プロデュースに名前をクレジットされているジョージが歌っています。これを最初に聴いたときも、感動しました。リンゴは「曲のなかにジョージがハリークリッシュナをいれたがるので困った」と笑いながらコメントしていますが、ジョージ版では、はっきりと「ハリークリッシュナ」がはいっています(笑)。


【注】リンゴ版を聴いたことのない方は、こちらをどうぞ


●「アイム・ザ・グレイテスト」:ジョン・レノン本人のヴォーカルによるもの。ジョンのなま声がじつにいいです。声を聴いていると、ジーンとしてきます。


【注】リンゴ版を聴いたことがない方は、こちらをどうぞ


●「シックス・オクロック」:これもポール・ヴァージョンがあればいいのですが、それは発見できませんでした。ブートなどで、もしあるなら聴きたいとおもうのですが・・・。


でも、レコードよりもエンディングが長いヴァージョンというのがあって、そこではレコードの公式録音よりも、ポールとリンダのコーラスが鮮明に、長く続いていきます。



70年代は、まだまだビートルズの余波のようなものが、4人からリアルタイムでプレゼントされていた時代でした。