アントニオーニ監督の『欲望』(1966年)は、むかし何度か見ている。それは次のシーンを見るためだった。
60年代のロンドンを、写真家の青年(デイヴィッド・ヘミングス)が歩き回る。
ポップ・アートが華やかだった60年代のロンドンが、主人公の目を通して映されていく。
そして青年は、小さなライブハウスで、ある凶暴なロック・バンドを目撃する。
そのロック・バンドの役を、はじめアントニオーニ監督は、ザ・フーに出演依頼をしていたが、交渉は成立しなかった。
そこで代役として出演したのが、ヤードバーズだった。
ところが、このときのヤードバーズは、いまとなっては貴重な、ジェフ・ベックとジミー・ペイジが同時に在籍して、ツイン・ギターを売り物にしているころだった。
ジェフ・ベックは、ザ・フーの代役のため、芸風にないのに、ピート・タウンゼントのように、ギターをステージにぶつけて壊している(笑)。
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●The Yardbirds「Stroll On」
(映画『欲望』のワン・シーン)