かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

松林宗恵監督『世界大戦争』(1961年)


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米ソの対立が激しくなり、核戦争の恐怖が現実味を帯びているころに公開された。つくりは、東宝の特撮SF映画で、硬いものではないが、テーマは架空のものとはおもえなかった。


12歳のぼくは、もし第三次世界大戦が起こり、核戦争になったら、という子どもなりの恐怖感が強くあって、この映画が公開されると、すぐ映画館にいった。



フランキー堺の一家を中心に話が進む。当時の典型的な日本の家族だ。


戦後妻(乙羽信子)とともに苦労に苦労を重ね、最近やっと生活にも少しゆとりができて、妻にも楽をさせてあげられる見通しがついた。


長女(星由里子)には、恋人(宝田明)がいて、もうすぐ結婚が控えている。


やっとここまで来たな、とおもう。


そんな家族の幸福感とはまったく無縁に、世界の二大勢力はしだいに緊迫感を強めていく。


「核戦争になったら、あらゆる生物が滅亡してしまう。人類の叡智がそんな馬鹿なことをするはずがない」と、フランキー堺は、祈るようにおもう。


しかし、第三次世界大戦は勃発し、核を積んだミサイルは次々発射され、個人の未来や夢などは抹殺して、放射能が地球を呑みこんでいく。



特撮は、円谷英二。久しぶりに見直してみた。


二大勢力の対立による核戦争の恐怖は、やわらいだが、いまは当時以上に核爆弾を保有する国は増え、拡散をつづけている。


この映画の恐怖は、残念ながら、架空になっていない。