かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

川上弘美『センセイの鞄』

センセイの鞄 (文春文庫)

センセイの鞄 (文春文庫)




おもしろかった。


むかし高校の恩師だったおじいちゃんと、もうすぐ38歳のツキコさんは、町の居酒屋で再会する。


ふたりのあいだに、居酒屋での日々、お正月、お花見、そして島への旅・・・そんなゆったりした時間が流れていく。



日常的なディテールが描かれているようでありながら、夢のなかを、幻想のなかを歩いているような、ふしぎな気もしてくる。


こういう作品を以前読んだ気がするな、とおもったら、内田百閒の顔が浮かんだ。