その日、時間があいたので池袋の新文芸坐へはいる。上映していたのは、須川栄三監督『野獣狩り』(1973年)と西村潔監督『死ぬにはまだ早い』(1969年)の2本。
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『野獣狩り』は、1973年ころの銀座・有楽町付近が舞台で、全面ロケ撮影。当時の東京市街を見ているだけでも楽しい。
過激派がポップコーラの社長を誘拐し、コーラの成分を公表するように脅迫する話で、警察と過激派の駆け引きが見どころだけど、黒澤明監督『天国と地獄』のような濃密なサスペンスではなく、銃を撃ち合うアクションに比重がおかれている。
出演は藤岡弘、その父で刑事に伴淳三郎。伴淳の自然体に近い演技は、内田吐夢監督『飢餓海峡』(1965年)を連想させる。
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『死ぬにはまだ早い』は、ドライブインに殺人者が侵入し、そこに居合わせたひとたちが恐怖の体験をする・・・という密室劇。
黒沢年男の殺人者がドライブインにいあわせたひとたちを人質としてそこへ閉じ込め、殺人や残酷な要求をしかけるという話で、映画館で見ていると、かなりな迫力だ。
どちらも、個人的にすすんで見にいく種類の作品ではないので、時間があいてたまたま見られた映画。しかし、それぞれにおもしろく見た。
帰り、池袋西口の早くからやっている居酒屋へ寄ってから、極貧荘へ帰る。