かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

川上弘美著『古道具屋 中野商店』


古道具 中野商店

古道具 中野商店

中央線沿線の小さな古道具屋でアルバイトをする「わたし」。店主はダメ男感漂う中野さん。きりっと女っぷりのいい、その姉マサヨさん。そして、わたしと恋仲であるようなないような、むっつり屋のタケオ。小さな店に集う人々の、なんともじれったい恋と世代をこえた友情。どこかあやしい常連たち……。懐かしさと幸福感にみちた最新長篇。


(新潮社の紹介文から)


古道具屋さんが舞台だから、ゆったりした小説だとおもっていたけど、やっぱりそうだった。そして、こういうのどかに展開する作品が映画でも小説でも好きだ。


映画では『かもめ食堂』からはじまった一連ののどかな作品シリーズがあるが、川上弘美の小説も、あんな感じで、ゆったりとすすんでいく。


登場する人物も、みんな少し変わっているけど、変わりすぎてはいない。その微妙な具合が楽しい。


なんてことのない中野商店での毎日。


店長の中野さんや、中野さんの姉さんのマサヨさん、そして恋人のようなタケオと過ごした日々が、店が閉店してから数年も経つと、「わたし」には、奇妙に懐かしく感じられる。そういうものかもしれない。


川上弘美作品、もっと読んでみよう。