かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

新文芸坐の2本『陽だまりの彼女』、『麦子さんと』を見る(4月8日)


きのうボブ・ディランのライブへいったので、きょうの朝の仕事は休み。


朝起きてシャワーを浴び、新文芸坐へ、気になっていた吉田恵輔監督『麦子さんと』(2013年)を見にいく。


併映は三木孝浩監督の『陽だまりの彼女』(2013年)。こちらは、監督も作品も予備知識なし。


吉田恵輔監督は、以前『さんかく』を見て、ダメ男をリアルで繊細に描く鋭いセンスにまいってしまった。2度見たが、2度ともおもしろいかった。


その吉田恵輔監督の作品で、主演も好きな女優堀北真希だから、これは見逃せない(といっても、ロードショーで見るチャンスを逃してしまったのだけど)。


初回の上映で、はじめは三木孝浩監督の『陽だまりの彼女』。どんな恋愛映画だろう、とおもって見ていたが、すぐに惹きこまれる。



なにより、上野樹里が美しい。話がすすむにつれて、この作品の「謎」は見当がついてくるが、気持ちがはいっているので、なんとかふたりが結ばれないか、ハラハラしながら最後まで見た。終わり方も、希望が見えて心地よい。


休憩をはさんで、吉田恵輔監督の『麦子さんと』。母の遺骨をもって、堀北真希の麦子さんが郷里へやってくる。そのリズム感のようなものが、もう好きだ。この監督の現代感覚の鋭さが、会話にもよくあらわれている。麦子さんの兄が、松田龍平。これもいい。


麦子さんと Blu-ray 特別版

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いくつか松田龍平の映画を見ているが、独特の存在感があって、だんだん好きになってくる。ただ、大森立嗣監督『まほろ駅前多田便利軒』(2011年)の行天春彦役とおんなじじゃないか、といわれれば、そうおもえなくもない。


とはいえ、石井裕也監督『舟を編む』(2013年)の馬締光也のような朴訥な役もうまくこなせるのだから、きっと予想以上に演技の奥行きはひろいのだろう。


堀北真希の喪服姿を見て、映画のなかの旅館の主人が「喪服姿はいいねえ」というが、可憐な色気があって、堀北真希の喪服姿が、ほんとうにいい。


好きな監督の作品はリズムが一致するのか、なんでもないような風景、人物の動き、登場人物の会話・・・すべてが楽しく見ていられる。



きのうの早稲田松竹の2本もよかったが、きょうの2本も満足だった。いまの日本映画は、とても豊穣ではないか、とおもう。


池袋の線路をくぐって北口へ出る。


そこで鮮魚を看板にしているお店があったので、昼飯を兼ねて、刺身定食とサザエの焼いたものを肴に、ホッピーを飲む。