かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

荒井晴彦監督『この国の空』を見る(8月16日)


妻と、川越から東武東上線で池袋へ出る。シネ・リーブル池袋で、12時から『この国の空』を見る。


このお盆休みで見た3本のなかでは、いちばんこの作品に惹かれた。二階堂ふみが、すごい。


熊切和嘉監督の『私の男』(2013年)で、浅野忠信と互角に渡り合うこの女優に目を瞠ったが、『この国の空』も、主演・大石里子の役は、彼女でなければ成立しないかもしれない。


セリフは少ないのに、表情や身体から発散する性的熱気が画面から圧倒してくる。荒井晴彦監督の演出も、ねちっこい(もちろんいい意味で)。


二階堂ふみから、目を離せなかった。


戦時中、明日死ぬかもしれない日々のなかで、若い里子(二階堂ふみ)は、表面は異性への欲望を意識の奥に封じ込めながら、抑えても抑えても噴出してくる本能を抑制しきれない。


それをセリフよりは、二階堂ふみの寡黙な演技で押していく荒井監督の演出も見応えがあった。


この国の空』公式サイト↓
http://kuni-sora.com/



映画が終わって、居酒屋のランチでビール。


妻は、「ちょっとマニアックだったね」といったが、「そうかな。すごくよかったよ。二階堂ふみって、すごい女優だなあ」と、そんな会話をする。