パソコンが壊れている間、年末に見た映画は、サイモン・カーティス監督の『黄金のアデーレ』と山田洋次監督の『母と暮らせば』。たしか、2本ともアパートのある「イオン板橋」で見たような気がする。
『黄金のアデーレ』は、クリムトの絵のモデルが、映画に登場するのが興味深かった。内容も、マリア・アルトマンを演じるヘレン・ミレンと、若い弁護士役のライアン・レイノルズがよかったので、見ている間はおもしろかったけれど、ただ年が明けたいまになってみると、印象がぼんやりしている。
山田洋次監督の『母と暮らせば』は、予告編を見て内容がわかってしまった、という気がした。本編を見ても、それをはみ出す意外性はなかった。登場人物が善意のひとばかりなのもちょっと退屈する。山田洋次監督の作品には、寅さんや『おとうと』の笑福亭鶴瓶のような、調和を壊すような人物がはいっていたほうがバランスがいいような気がする。
吉永小百合は相変わらず吉永小百合だし、二宮和也は妙に明るかったり、急に激しい感情をあらわにしたりで、気持ちよく作品のなかに溶けこんでいけなかった。
3月公開の喜劇『家族はつらいよ』に期待しよう。