かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

カルロス・ベルムト監督『マジカル・ガール』を見る(3月21日)。



朝川越を早く出て、「ヒューマントラストシネマ有楽町」で、スペイン映画、カルロス・ベルムト監督の『マジカル・ガール』を見る。カルロス・ベルムト監督のはじめての劇場映画だということのほか、予備知識なし。


シリアスなのかユーモアなのかよくわからないが、たぶん両方の要素がまじっているのだろう。唐突と飛躍がまじって、先が読めないし、ストーリーを文字にするのもむずかしい映画。でも、その先が読めない唐突さがおもしろい。


医者に先が長くないといわれた娘が、日本のアニメの大ファン。その娘に、娘が大好きなアニメ・キャラクターのまとっている高価な衣装(90万円)を買ってあげたい。しかし、父は失業中で金がない。


ところが父は、たまたま知り合って関係をもった人妻をゆすって、その金を調達する(ありえないような都合のいい偶然で、それがこの映画のもつ唐突さなのだ)。父娘の美談風の物語が、美しい人妻と不倫の関係を持つところから、様相がかわってくる。


金のない冴えない中年男が、若い人妻とそういうことになることじたい信じがたいが、その人妻を、こともあろうに「夫にバラすぞ」と脅迫して、お金までゆすろうとするのだから、図々しいというか虫がよすぎるというか。しかし、その後も物語は、ますます奇妙にねじれていく。


アメリカ映画はもちろん、日本映画でもなかなかない、奇妙な味わいに満足。


『マジカル・ガール』公式サイト↓
http://www.bitters.co.jp/magicalgirl/



帰り、ひさびさ上野の立飲み「たきおか」へ寄ってみる。祭日の午後、「たきおか」は広い店内が満員だったが、カウンターの奥がちょうどあいていたので、ホッピーとハイボールと酎ハイを飲んでアパートへ帰る。