かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ブライアン・ウィルソンの来日公演を見る(4月12日)



東京国際フォーラムA」へ、ブライアン・ウィルソンの「ベット・サウンズ完全再現ライブ」を見にいく。座席は、1階43列33。かなり後方で、肉眼ではよく見えない。両サイドのスクリーンで見ることが多くなる。



60年代、ビートルズボブ・ディランに夢中になっていたが、ビーチボーイズはそれほど熱心に聴いていない。ヒットソングは自然に聴いているけれど、当時アルバムは一枚も持っていなかった。ブライアン・ウィルソンビーチボーイズをよく聴くようになったのは、ここ20年くらいかもしれない。


予備知識がなかったので、いきなりアルバム『ペット・サウンズ』の「Wouldn't It Be Nice」からはじまるのか、とおもっていたら、第一部は知っている曲知らない曲が織り交ぜって次々に演奏される。


サイトに、シドニー公演のセットリストがでていた(日本公演は変更になる場合あり、の注意書きあり)。
http://bw-japantour.com/setlist.php

■第一部(GREATEST HITS & RARE CUTS)
1) OUR PRAYER / HEROES AND VILLAINS
2) CALIFORNIA GIRLS
3) DANCE, DANCE, DANCE
4) I GET AROUND / SHUT DOWN / LITTLE DEUCE COUPE
5) IN MY ROOM
6) SURFER GIRL
7) DON’T WORRY BABY
8) WAKE THE WORLD / ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY
9) HONKIN’ DOWN THE HIGHWAY
10) DARLIN’
11) ONE KIND OF LOVE
12) FUNKY PRETTY
13) WILD HONEY
14) SAIL ON, SAILOR


バンドがすばらしい。ぶ厚いコーラスと洗練されたサウンドで、ブライアン・ウィルソンをサポートする。というより、このバンドじたいがステージの主役で、それを統括しているのがブライアン・ウィルソンとみたほうがいいのかもしれない。事実、ヴォーカルをとるのも複数で、ブライアンもそのなかのひとり。


20分の休憩。トイレに並んでいたら、この休憩時間はすぐ過ぎてしまった。



第二部は、いよいよアルバム『ペット・サウンズ』の完全再現ライブ。何度も聴いたこのアルバムがまさにライブでひとつひとつ再現されていく。ブライアンの声は伸びがなくて、ちょっと不安になるがバンドのコーラスがそれを完全サポートしていく。聴きようによっては、ブライアンの途切れそうなヴォーカルに味わいを感じたりもする。ブライアン以外にもヴォーカリストが何人かいるので、パートパートでリードヴォーカルを交代していく。プレイヤーとしては、あくまでブライアンは、このバンドのひとりなのだ。完全再現ライブとタイトルされているように、アルバムの細かな音がていねいに再現されていく。繰り返すけれど、バンドがすばらしい。

■第二部 (PERFORMING “PET SOUNDS” IN ITS ENTIRETY)
15) WOULDN’T IT BE NICE
16) YOU STILL BELIEVE IN ME / THAT’S NOT ME
17) DON’T TALK (PUT YOUR HEAD ON MY SHOULDER)
18) I’M WAITING FOR THE DAY
18) LET’S GO AWAY FOR AWHILE
19) SLOOP JOHN B
20) GOD ONLY KNOWS
21) I KNOW THERE’S AN ANSWER
22) HERE TODAY
23) I JUST WASN’T MADE FOR THESE TIMES
24) PET SOUNDS
25) CAROLINE, NO

                • -

26) GOOD VIBRATIONS


これで終わりなのかな、とおもっていたらサービスてんこもりのアンコールがあった。

■アンコール
27) ALL SUMMER LONG
28) HELP ME, RHONDA
29) BARBARA ANN
30) SURFIN’ U.S.A.
31) FUN, FUN, FUN
32) LOVE AND MERCY


必殺のビーチボーイズ・ヒット・メドレー。これまでじっくり座って聴きほれていた観客が、立ち上がりだした。内省的な『ペット・サウンズ』のあとで、解放的なヒット・ソングの連発はたのしい。
そして、最後にしっとりとブライアンが歌う「 LOVE AND MERCY」が、心に沁みてくる。


第一部、第二部、第三部、それぞれに味わいがあって、すばらしいコンサートを堪能。それにしても、奇跡的にすばらしいバンド・メンバーを集め、サウンドをひとつに統括するブライアンのプロデュース的な才能にあらためておどろく。いいコンサートだった。



どこにも寄らず、電車でアパートのある東武練馬まで帰る。ひさしぶりに駅前の居酒屋「春日」に寄って、酎ハイを飲みながら、ひとり感動の余韻をたのしむ。


「さて、次はエリック・クラプトンだ!」