この記事は、つるひめさんへのコメントの続きですが、あとで自分が検索しやすいようにコメント欄ではなく、本文のなかで、伊豆田洋之さんのライブについて書かせていただきました。
ひめ↓
他には、沿線のライブハウスでだいぶ前にやはりポール似で評判の伊豆田洋之さんのソロライブを見たことがありますが、伊豆田さんとかつてバンドをやっていて親しい杉真理さんが「日本一のポール」と絶賛されていたくらいに、歌声はもう若い頃のポールそのままで感動でした。
ウイングス時代の中でもマニアックな選曲が多かったでしたが。
伊豆田さんの映像もよかったら、youtubeで検索してご覧になってみて下さいね!
このコメントをつるひめさんからいただいたてYouTubeを見たのですが、見始めたら目と耳が釘付け(ほんとすごい!)。
このところコメント欄で、つるひめさん、ジェレミーさんとポール似の男性の話題がしきりだったのですが(きっかけはのんちさん、笑)、ここへきて、ついに顔より声で感動させていただきました。
伊豆田洋之さんの名前は聞いたことがあるのですが、見たことないまま年月が過ぎてしまって・・・いまごろになってびっくりしてます。
ピアノ、あるいはギターの弾き語り。その声の美しさ。
ポールの曲はメロディの高低が激しいので高音の部分など歌っていて苦しくなるんじゃないか、って心配になるんですけど(ポールご本人のコンサートでも)、伊豆田さんの声は、高音ものびのびと出ていて余裕を感じるくらい。そして、にくらしいくらいポールの楽曲の特徴をついている。
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ポール・マッカートニーのコンサートは、ヒット曲が多すぎるひとの常かもしれないけど、はじめて見にくるひとへのサービスとして、定番としてはずせない曲を中心に演奏する。
ポールは、ボブ・ディランのように自分自身のそのときの気分で、びっくりするような曲を演奏するといった強引さが、良くも悪くもない。
彼の性格として、集まったすべての観客がよろこんでくれるセットリストで構成する。
だから、長年聴いていると、あの曲やこの曲もやってほしいのにな、というかすかな不満が残る。
1990年、はじめてポールが単独来日したころは、見ることができただけで大満足していたのに、ファンは勝手なもの。
伊豆田さんの単独ライブは、ポールのライブで聴くことをあきらめてしまったようなマニアックな、しかし、「ああ、ひさしぶりに聴くと、いい曲だなあ」(ほんとはそんなにひさしぶりではないけど)というみごとな選曲が並んでいて、セットリストでも興奮してしまった。
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【Liveアーカイブ】伊豆田洋之solo Liveポール・マッカートニー特集【2020.06.23】
映像をアップされた方へ
敬意を評して、YouTubeから映像をアップさせていただきました。もし、不都合がありましたら、コメント蘭に連絡ください。ただちに削除いたします。
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なじみのない曲が多いとおもうので、簡単に説明をいれておきます。
1)「I Don' Konw」(2018年、最新作『エジプト・ステーション』に収録)。あらためていい曲だなあ、と感激。よくぞ選曲してくれました。
2)「I am Your Singr」(1971年、ウイングス最初のアルバム『ワイルド・ライフ』に収録)。ポールのソロ・アルバムとしては3枚目。このアルバムは、当時もいまも評価は高くないけど、美しい曲が、無造作に何曲か収録されている。
3)「Tomorrow」(これも同じくアルバム『ワイルド・ライフ』収録)。この注目されないアルバムから2曲の選曲はすごい! ポール本人は永遠にやってくれないだろうな(笑)。「イエスタディ」のアンサー・ソングというわけではないだろうが、比べてみたくなる。メロディの美しさは「イエスタディ」に遜色なし。わたし個人は、「昨日」ではなく、こっちの「明日」を聴くことが多いです。
4)「My Valentine」(2012年、ポール唯一のジャズ・アルバム『Kisses on the Bottom』に収録)。ジャズのスタンダード曲のカバー集だけれど、この曲ともう1曲だけ、ポールのオリジナル曲が含まれている。バックの演奏は、ダイアナ・クラール(ピアニスト。美人。エルビス・コステロの奥さん。双子の母、笑)と、彼女のジャズ・バンドがつとめている。
5)「I'm Looking Through You」(1965年、ビートルズのアルバム『ラバー・ソウル』収録)。このライブのなかで唯一のビートルズ作品。ただ、ビートルズのなかでもあまり知られていない曲。
6)「Warm and Beautiful」(1976年、アルバム『ウイングス・アト・ザ・スピード・サウンド』に収録)。ウイングス全盛期のアルバムのなかでは、やや地味な曲かもしれないけど、聴けば聴くほど味わいを増す曲。ファンのあいだでは、人気の高い曲ではないだろうか。
7)「Dear Boy」(1971年、アルバム『ラム』に収録)。ビートルズのメンバーの関係が、ジョン、ジョージ、リンゴ対ポールと対立しているころの背景もあって、アルバムは大ヒットしたのにもかかわらず、評価の低かったアルバム。わたしも、当時は軽く見ていた(笑)。いまは再評価の動きがあり、わたしも大好きなアルバムになった。なんだよ、おまえって時代背景に左右されるんだな、って自分の感性のたよりなさを自覚させられたアルバム。「ディア・ボーイ」は、ロック調なのにメロディがやたら美しい。ビートルズの「オール・マイ・ラビング」も、ロック調なのにメロディが美しい楽曲でした。
8)「Little Lamb Dragonfly」(1973年、ウイングス2枚目のアルバム『レッド・ローズ・スピードウェイ』に収録)。もうポール節というしかないくらいすばらしい曲。こういう曲が代表作ではなく、アルバムのなかにひっそり佇んでいるのがポールのすごいとろ。それを発見してくる伊豆田さんも、すばらしい!
9)「1985」(1973年、アルバム『バンド・オン・ザ・ラン』収録)。アルバムの最後を飾る曲。曲のなかに、前にでてきた「バンド・オン・ザ・ラン」が再登場して、組曲のようになるのは、ビートルズのアルバム『アビー・ロード』のB面メドレーを連想させる。ポールお得意のシンプルだけれど印象的なピアノ曲。鍵盤を弾く指が、飛び跳ねておどる。
10)「Tag of War」(1982年、アルバム『タッグ・オブ・ウォー』収録)。1980年にジョンが殺され、一時レコーディングを中断。1982年に、ジョージ・マーチンのプロデュースで完成。アルバムのなかには、ジョンを追悼した楽曲「ヒア・トゥディ」も収録されている。タイトル曲は、ゆったりしたテンポの反戦歌。
11)「Little Willow」(1997年、アルバム『フレイミング・パイ』収録)。ことし、このアルバムは未発表音源を大量に収録して、デラックス版が高価格で発売された。収集家以外、全部を聴く必要があるのか、とおもうけど、ひさしぶりにオリジナル・ソングを聴くきっかけにはなった。「アップル・ミュージック」で、音源のすべてを聴くことができます。
12)「Back Seat on My Car」(1971年、傑作アルバム『ラム』に収録)。このアルバムの特徴かもしれないけど、美しい楽曲が壮大に展開していく。テンポが変わっていくので、そちらに気をとられるけれど、じつはメロディ・ラインがとても美しい。
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全部聴いて、全部読むのはたいへんだとおもいます。ぜひ時間があるときに、映像をごらんになって曲に興味をもたれた方は、簡単なわたしの説明を読んで、もっと本格的な解説をさがしてみてください。これがポール・マッカートニーの魅力を発見するちょっとしたきっかけになれば、すごくうれしいです。
映像に、2020年6月23日と日付があるので、ことしコロナ禍のなかで、ポール・マッカートニーのバースディ・ライブをやったんですね。観客を制限するなどたいへんなご苦労をなさって実施されたライブだとおもいます。
来年は、無事開催されたら、ぜひ見にいきたいとおもっています。
演奏者、ライブハウスのオーナー、スタッフ、観客のみなさん、それと、つるひめさんに感謝をこめて。