朝川越を出て、新宿へ。テアトル新宿1回目の上映で、前田司郎監督『ふきげんな過去』を見る。小泉今日子と二階堂ふみの共演で、はじめて予告編を見たときからたのしみだった映画。
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日常的な細部を描く映画かとおもったら、かなり感覚勝負の作品。それがおもしろく感じられたり、ちょっと気をそがれたり、見終わったあとの印象は微妙。「ふきげんな過去」というタイトルは、二階堂ふみ演じる果子(かこ)の名前から「ふきげんな果子」とも重なる。そのとおり、映画のなかの二階堂ふみは、ずっと機嫌が悪い。家出して死んだとされていた伯母さん(実は本当の母)が突然帰ってきても、おどろきもよろこびもせず「なにこれ?」、と仏頂面のまま。しかし、二階堂ふみのふきげんな表情は、ひと言でいって、かっこいい。
ただ、もうひとりの主演小泉今日子の役柄は、野放図で不可解なおばさん、という定型以上をはみ出ないキャラクター役で、中途半端。勝手な推測だけれど、小泉今日子は、演じにくかったのではないだろうか。
『ふきげんな過去』予告篇↓
https://www.youtube.com/watch?v=DnN-6IRgRBM
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