かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

丸木美術館へいく(12月10日)


12月10日土曜日、息子のN(36歳)から誘われて、ひさしぶり丸木美術館へいく。妻の運転で、Nとわたしが同乗。しかし、妻もわたしも、美術館の位置を忘れていて、途中ナビに頼って迷い、車がギリギリ通れる狭い橋に出て肝を冷やしたりした。


Nは、数ヶ月前にもいったようだが、妻とわたしは、20年以上も前に行ったきり。そのころは、まだ丸木位里・俊(いり・とし)夫妻がご健在で、テレビで見かけることもあった。


当時、丸木美術館は、原発に反対して、自家発電の電球で館内をまかなっていたので、館内は全体に暗く、暖房もなく寒かった。そんなことを記憶している。福島の原発事故が起こるずっと前から、丸木夫妻は、原発に反対していたのだな、といまあらためておもう。



丸木夫妻の大作、原爆の図。


大きな襖に大胆に描かれた原爆投下直後の広島。原爆の炎に焼かれ、皮膚は焼けただれ、幽霊のようにあてもなくさまようひとたちの姿を通して、原子力爆弾の怖ろしさが描かれている。


企画展示は、「今日の反核反戦展2016」。こちらは、若い作家の作品がいろいろ。メディアも報道せず、忘れ去られようとしている、甘利明大臣のお金の疑惑事件を題材にしている作品もあった。2016年の漢字が「金」だというのなら、その筆頭株は甘利明議員ではないか。



ひととおり見て帰ろうとすると、女性から「いまアーティストが作品を制作しているのですが、よかったら見ていかれませんか」と声をかけられる。ガラス扉の向こうにテントがあって、ふたりの男性が作品を描いていた。ひとつはもうだいぶ出来あがっていて、地震列島日本が、鯰の姿にダブらせて描かれていた。


このテントは、霞が関から強制撤去されたものだという。原発反対の抗議で霞が関に泊まりこんでいたひとたちのなかに、丸木美術館のひとたち、もしくはその周辺のひとたちがいたことを知った。


いまの政治の理不尽さ。報道を自粛するテレビや、一部大新聞の政権に追随する情けなさ、安倍政権の政策に反対しながら、なぜか自民党に一票いれてしまう国民への不満を話して、丸木美術館をあとにする。


「丸木美術館」公式ページ↓
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/



帰りは、途中までNが運転し、昼飯に「野草庵」でNとわたしがお酒を飲んでからは、妻が運転をして川越の家へ帰る。