かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

片渕須直監督の『この世界の片隅に』を見る(1月8日)



1月8日(日曜日)の午前、妻の運転で、娘と双子を連れ、川越市役所前の消防隊の出初式を見にいく。市役所前に着いて、娘が連絡すると、市役所へ休日出勤している娘の夫(双子の父)も外に出てきて、一緒に出初式を見る。


イラストや写真で見たことのある本物の消防車がずらっと並んでいるのを見て、双子(2歳10ヶ月)は、よろこぶというより、「あっあっ」と声にならないおどろきで、口をあけながら、見ていた。空にはヘリコプターが、なんどか低く旋回して、集まったひとたちがそろって空を見上げている。双子も、それぞれ抱っこされながら、空を見ていた。



娘や双子を的場の家に送ってから、午後、妻とふたりで市役所の駐車場へ引き返し、川越スカラ座片渕須直監督の『この世界の片隅に』を見る。事前に何かトラブルがあって今日は上映できないかもしれない、という張り紙があったが、結果的には支障なく見ることができた。妻は、見るのがはじめてだが、わたしは2度目。


1度目に見て、いい映画だなあ、とおもったが、もう一度見て、なお感動できた。その間に原作を読んで、作品世界の理解が深まったせいもありそうだ。映画で省略されている部分、あえて映画的表現にそぐわいないせいかカットされているところなどあって、原作を読んでわかったところもある。原作には原作の魅力があって、それを一読してからまた映画を見ると、やっぱり映画もいい。


この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)


この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)


この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)



映画『この世界の片隅に』(原作も)は、<すずの夫=周作>、<幼馴染で初恋のひと=水原>など周辺の人物もよく描かれているし、なかでもとりわけ<義理の姉・黒村径子>が強く印象に残る。嫁(とつ)いできた<すず>にキツくあたるようでいて、優しい部分も自然に出ていて、安っぽい悪役に終わらせていない。黒村径子は、この映画に大きく貢献している脇役だな、とおもう。



帰りパンフレットを買う。ふだん映画を見てもあまり褒めない<辛口批評家の妻>も、なんどか「よかったね」といった。映画館を出たら寒かったので、川越ロジャース近くの「もちもちの木」の味噌ラーメンを食べにいく。