かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

映画『午後8時の訪問者』と「パティ・ボイド写真展」(4月15日)。


4月15日土曜日、新宿武蔵野館へ、午前9時45分からジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の『午後8時の訪問者』を見にいく。少し早く着いたので、映画館の近くのコーヒー屋さんで、ホットコーヒーとトーストのモーニング・セットで、軽い朝飯。


映画は、よかった。日本映画にもない、アメリカ映画にはもちろんない、フランス映画の魅力が詰まった意欲作。


ドアホンを鳴らした少女がいたが、診療時間が終わってから1時間も過ぎていたので、主人公の女医・ジェニー(アデル・エネル)は、扉をあけなかった。翌日、ジェニーは、その少女が何者かに殺害されたことを知る。自分があのとき扉をあけてれば、少女は死なずにすんだはずだ。ジェニーは、自分を責め、少女が誰なのか、なぜ殺されたのかを、自分で調べはじめる。


一人称映画、というのをしばらく見なかった気がする。カメラは、終始女医・ジェニーに密着し、ほかに視点を移さない。一人称小説は、めずらしくないが、映画ではたいてい主人公以外にも、視点は移る。視点の固定された映画がまったくないとはおもわないけれど、最近見た作品ではおもいあたらない。


とにかく、徹底的にカメラはジェニーひとりを追う。ジェニーの罪の意識、心のなかを追う。ひとつひとつの描写に細かな神経が行き届いた映画で、濃密な満足を味わえた。


『午後8時の訪問者』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=l2XsQuxNmug



新宿三丁目から丸の内線で、銀座へ出る。銀座4丁目で、「パティ・ボイド写真展」を見る。ジョージ・ハリスンエリック・クラプトンというふたりの有名なミュージシャンを過去に夫としたパティ・ボイド。彼女が撮ったジョージやクラプトンの写真が中心。どこかで見たことのあるものも多かったが、はじめて見るものもあった。



「おやっ」とおもって見惚れたのは、離婚後のジョージとパティが一緒に写っている写真。いろいろなことを乗り越えて少し老けたふたりが、にこやかに笑っている。



これがふたりが一緒に写った最後の写真とか。


「パティ・ボイド写真展」
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/community/squareginza/schedule/event_detail_41.html


上野で途中下車して、立飲み「たきおか」へ寄る。ホッピーと酎ハイを飲んで、川越へ向かう。