かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

バンニャ・ダルカンタラ監督『KOKORO』を見にいく(11月11日)。


11月11日、土曜日。池袋で妻と待ちあわせ、渋谷のユーロスペースへ、バンニャ・ダルカンタラ監督(ベルギーの女性監督)の『KOKORO』を見にいく。


渋谷へ早く着いたので、午前11時の上映開始まで、近くの喫茶店でコーヒーを飲んで時間を待つ。




夫と思春期の子供二人とフランスで暮らすアリス(イザベル・カレ)の元に、長い間旅に出ていた弟ナタンが戻ってきた。日本で生きる意欲を見つけたと幸せそうに語った数日後、弟は突然この世を去ってしまう。弟の死にショックを受けたアリスは、弟を変えた人々、そこにある何かに出会うため、ひとり日本を訪れる。


弟の足跡をたどりアリスが行き着いたのは、投身自殺の名所と知られる崖のある海辺の村。そこで出会った元警察官の男ダイスケ(國村隼)は、悩める人々の心に寄り添い、自殺を思いとどまらせていた。


求めすぎず、静かに傷を癒すことのできるその場所にアリスはどこか安らぎを感じる。そしてダイスケをはじめジロウ、ヒロミ、ミドリ、ハルキら、その村で出会った人々との交流が、静かにアリスの心に変化をもたらしていく──。


(『KOKORO』公式サイトから)
http://www.kokoro-movie.jp/story.html


映画は、日本を舞台にしている。俳優も、イザベル・カレ(フランス人の女優)以外、國村隼安藤政信門脇麦と日本人俳優が主に出演しているので、日本とどこかの国の合作映画かな、とおもっていたら、「ベルギー、フランス、カナダ」の合作映画だった(「映画.com」の表記によれば)。


ほんとうに静かな映画。主演のイザベル・カレも、準主演の国村隼(くにむら・じゅん)も、終始寡黙。その静けさが、飛び降り自殺者が多いという、崖のある美しい風景とよく似合う。



美しい風景を見ながら、主人公が何をおもうのか、映画は明確には描かない。


弟を失って傷ついた女性が、その弟が「命の恩人」といったダイスケの住む日本へやってきて、何を感じ、何を得たのか、映画は明確には語らないまま終わってしまう。



イザベル・カレ、国村準、門脇麦安藤政信


脇役で、印象に残るのが、門脇麦。これまで、三浦大輔監督『愛の渦』(2013年、共演、池松壮亮)、岸善幸監督『二重生活』(2016年、共演、長谷川博巳)の2本の出演作品を見ているが、存在感があとまで尾をひく。もっと彼女を生かした映画を見たい気がする。


『KOKORO』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=c-oNvaKyA_E



帰り、映画館近くの小さなお店で、ハンバーグ定食を食べて、川越へ帰る。