かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

加藤拓也監督、門脇麦主演『ほつれる』を見にいく(9月16日)。


9月16日㈯。炎暑。
新宿ピカデリー」へ、加藤拓也監督の『ほつれる』を見にいく。


新宿駅構内の「カレー&コーヒー」ショップで、1時間くらい読書する。


読んでいるのは、吉田修一作『永遠と横道世之介・下』。おもしろくて、他の本を置き去りにして、一点集中!!。


吉祥寺駅から三鷹方面へ向かってバスで●●分の東京田舎「ドーミー」という下宿屋。そこに集まったひとたちの、スジらしいスジのない話。


『永遠と横道世之介・上下』(2023年刊行)は、先の2冊に続く、「横道世之介シリーズ」の最終編。


先に妻が読み、わたしも後を追いかけて読んでいる。この本のことは、少しだけ「いわく」もあるので、あらためて日記(ブログ)に書きとめるつもり。




演劇界で注目を集める演出家・劇作家の加藤拓也が、映画監督デビュー作「わたし達はおとな」に続いてオリジナル脚本で撮りあげた長編第2作。


(略)


夫・文則との関係がすっかり冷え切っている綿子は、友人の紹介で知りあった男性・木村と頻繁に会うようになる。ある日、綿子と木村の関係を揺るがす決定的な出来事が起こり、日常の歯車は徐々に狂い出していく。




(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/99466/



www.youtube.com




夫・文則(田村健太郎)と妻・綿子(門脇麦)の関係は冷え切っており、それぞれに交際している恋人がいる。


綿子は、夫に内緒で、恋人の木村(染谷将太)と旅行へいくが、その帰り、別れ際に、木村がクルマに轢かれて死んでしまう。


それを目撃しながら、夫にバレるのが怖い綿子は、生死を確かめることなく、救急車も呼ばず、現場を逃げてしまった。


が結局、綿子の不倫は夫・文則に知られてしまう。


綿子と文則は、離婚を話し合いながらも、冷ややかな日常を続けていく…。


映画の主眼は、秘密の恋人の事故死を目撃してしまった、というサスペンスではなく、それにより、いっそう複雑な関係に陥った、綿子と文則の日常の方に、注がれる。



門脇麦という役者、もともとうまいひとだなあ、とおもっていたが、苦しい状況にある女性を、小さな表情の変化で表現していく。最高にリスペクトしている女優のひとり。


展開も静かだし、俳優の演技も抑えめで、わたしの好みだけれど、それだけに体調不良で一歩間違うと、映画の機微を見逃してしまうキケンがある。


一瞬睡魔の快楽に誘われたが、幸いに持ち直した。


『ほつれる』が、加藤拓也監督のデビュー2作目、だという。興味がわいたので、デビュー作『わたし達はおとな』(2022年公開。木竜麻生主演)が動画配信にあったら見てみたい(翌日、「アマゾンプライム」の有料配信にあったので見ることができた)。