かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

チャン・フン監督『タクシー運転手 約束は海を越えて』を見る(5月6日)。


きのう牛久大仏から帰ったあと、妻は姉のマンションへ、わたしは自分のアパートへ泊まった。



「シネマート新宿」で、チャン・フン監督の『タクシー運転手 約束は海を越えて』を見るため、池袋で妻と合流、新宿へいく。


靖国通り沿いの「ルノアール」でモーニングを食べながら、時間待ち。読みかけの、辻田真佐憲著『大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争』(電子書籍)を読む。



陸軍・海軍の「大本営発表」は、真実を国民にねじまげて伝えた。戦況が悪くなり、陸軍・海軍の立場が悪化するのと反比例するように、捏造が加速し、ほとんど架空の物語化していく。


似たようなことがいま起こっている。安倍政権のもとで、「改竄」、「隠蔽」、「捏造」という言葉があたりまえのように復活。立ち場が悪くなると、嘘がますます上塗りされていく。



9時25分から、「シネマート新宿」で、チャン・フン監督の『タクシー運転手 約束は海を越えて』を見る。



『タクシー運転手〜約束は海を超えて〜』予告

戒厳令下の物々しい言論統制をくぐり抜け唯一、光州を取材し、全世界に5.18の実情を伝えたユルゲン・ヒンツペーター。その彼をタクシーに乗せ、光州の中心部に入った平凡な市民であり、後日、ヒンツペーターでさえその行方を知ることのできなかったキム・サボク氏の心境を追うように作られた本作は、実在した2人が肌で感じたありのままを描くことで、1980年5月の光州事件を紐解いていく。


(『タクシー運転手』の公式サイトより)
http://klockworx-asia.com/taxi-driver/about/


韓国映画


主人公のタクシー運転手は、韓国政府を信頼し、学生たちが高い学費をもらいながら、勉強もしないで、政府への抵抗運動をしていることに批判的な心情をもっている。テレビでは、市民や学生たちが暴徒化している様子を伝えている。彼は、ニュースを、政府を、信じていた。


そういう彼が、ドイツ人記者を乗せて紛争の地、光州へ行って見たものは、政府が激しい暴力で民衆を弾圧する光景だった。


光州事件」という韓国政府の負の歴史を暴いたドイツ人記者と、彼を乗せて現地にはいったタクシー運転手の姿が描かれる。適度な娯楽的要素をくわえているので、映画としても迫力があって、おもしろい。権力の横暴、そのことを隠蔽するメディアの恐ろしさ、いろいろなことを考えさせられる。



近くの中華料理屋さんでお昼を食べて、川越へ向かう。