かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

アメリカ映画『グリーンブック』と韓国映画『シークレット・サンシャイン』(8月12日)。

f:id:beatle001:20190820095713j:plain
韓国映画シークレット・サンシャイン』。



8月12日、月曜日。祭日。川越スカラ座へピーター・ファレリー監督の『グリーン・ブック』を妻と見にいく。


上映は10時30分から。クルマは、市役所の有料駐車場へあずける。


映画『グリーン・ブック』はわたしは公開されたときに見ているけれど、妻ははじめて。いいい映画なので、2回目でもたのしめた。音楽がとても心地いい。構成もとてもしっかりして、最後に強い感動が用意されている。


不満があるとしたら、よくできすぎていること。黒人と白人の問題も、映画のなかではすっきり解決できてしまったような錯覚を起こしてしまう。


映画が終わって、上尾の日帰り温泉「利久」へいく。この日帰り温泉は、混雑してなくて気にいっていたが、まさにそれがためにか、8月18日で閉店するらしい。残念。わたしにとっては、最後の「利久」になりそうだ。



帰ってTSUTAYAで借りた韓国映画シークレット・サンシャイン』(2008年公開)を見る。監督は、イ・チャンドン



『シークレット・サンシャイン』(原題:密陽) トレイラー


夫を亡くし、生きる希望を失っていた32歳のシネは、夫の故郷の地方都市ミリャン(密陽)でピアノ教室を開いて新たなスタートを誓う。だが、ミリャンでも彼女を新たな悲劇が襲い……。


(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/53431/


32歳のシネを、もうひとつの大きな不幸が襲う。シネの大事な息子が誘拐され、殺されてしまう。


放心して生きる意味を失ったシネは、いっときキリスト教に救済をもとめ、敬虔な信者になったかとおもわれたが、宗教は彼女を救うどころかさらなる絶望へ落としこむ。このキリスト教のエピソードは興味深い。宗教のもつ本質的矛盾に迫っている。


この映画は、昼間「川越スカラ座」で見た『グリーンブック』とは対照的に、構成にメリハリをつけていない。


内容的には、誘拐と息子の死、という大きな事件が起こるけれども、描き方は、ドラマチックではない。ヒロイン・シネのひとつひとつの表情の変化が説明らしい説明もなく淡々と積み重ねられていく。シネを演じたチョン・ドヨンが、焦燥から狂気へだんだんに追い詰められていく姿をカメラが追うが、劇的な仕掛けはない。


これだけでは滅入りそうな映画だけれど、彼女を遠くからつかず離れず見守る「社長」というあたたかい人物をソン・ガンホが演じている。この人物のやさしさが、映画の救いになっている。


ところで、このひと、どこかで見たことがあるな、ってあとで調べたら、チャン・フン監督の『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2018年)の主演をやっているのがわかった。


この映画は、韓国が民主化へすすむ歴史の一頁「光州事件」を題材にした感動的な作品だった。