かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ボブ・ディランとエリック・クラプトンの共演!(1999年)

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いつも思うんだけど、ボブ・ディランと共演するミュージシャンは、とてもたのしそうに笑う。自分のステージでは、目を閉じて厳しい顔をしながらギターを弾くエリック・クラプトンも、ボブのうしろで演奏していると、なんだか笑いをこらえているような・・・そんな顔をしている。


しかし、ディラン自身は、いつの場合も、あいかわらずぶっちょうづらだ。



E.Clapton - B.Dylan - Don't Think Twice, It's All Right - LIVE


この映像は、エリック・クラプトンが主催する、アルコール中毒患者を更生させる施設を援助するためにおこなわれた「クロスロード・コンサート」(1999年)。ボブ・ディランは、ゲスト出演。


どこかクラプトンがにこにこ顔なのと、途中、ボブがエリックに負けず、ワンパターンのギター・フレーズを弾きまくっているのが、みどころ。


このボブ・ディランの「Don't Think Twice, It's All Right (くよくよするなよ)」は、1963年に発売された『The Freewheelin' Bob Dylan』に収録された人気曲。ディラン自身もたびたびライヴで演奏しているけれど、この曲をカバーするミュージシャンも、むかしからたくさんいる。


まず、歌詞の和訳。

くよくよするなよ


腰をおろして考えこんだってどうにもなりゃしない
しょうがなかったことなんだ
腰をおろして考えこんだってどうにもなりゃしない
いままでにわかっていないようではね
夜明けにオンドリが鳴くとき
窓から見てごらん ぼくはさえてるぜ
きみのせいでぼくは旅をつづけるんだ
くよくよしてもはじまらない、これでいいんだ


あかりをつけてもどうにもなりぁしない
ぼくにはあかりなんてなかったもの
あかりをつけてもどうにもなりぁしない
ぼくは道の暗い側にいるんだから


でも君には何かいうとかするとかしてほしかった
行かないでって ぼくの気持をかえてほしかったんだ
ふたりはあんまりはなしもしなかったんだから
くよくよしてもはじまらない、これでいいんだ


ぼくの名前をわめいたところでどうにもなりゃしない
いままで一度もしなかったことだもの
ぼくの名前をわめいたところでどうにもなりゃしない
もうぼくにはきこえないんだから
道をたどりながら かんがえ おもいつづけている
かつて女を恋した、あんた子どもねといわれた
ぼくは心を捧げたけれどぼくの魂をほしがった
だけど くよくよしてもはじまらない、これでいいんだ


あの遠い、さびしい道を、ぼくはあるいてる
どこへいくか わからない
だけど さよならなんてことばは もったない
だからただこう言う 元気でね
きみがつめたかったなんていうつもりはない
もうちょっとやさしくしてほしかったけどしかたがない
ぼくの貴重な時間をむだにしたようなもんだ
だけど くよくよしてもはじまらない、これでいいんだ


ボブ・ディラン全詩302篇―LYRICS 1962‐1985

ボブ・ディラン全詩302篇―LYRICS 1962‐1985



ボブ・ディランのデビュー30周年コンサート(1992年)には、そうそうたるレジェンドたちが登場し、ボブのカバーを披露した。


出演した主なミュージシャンの顔ぶれ

ジョージ・ハリスンジョニー・キャッシュルー・リードニール・ヤングエリック・クラプトンスティーヴィー・ワンダー、ジューン・カーター&ジョニー・キャッシュ、ザ・クランシー・ブラザーズ、リッチー・ヘヴンズ、ジョニー・ウィンター、ロジャー・マッギン、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、ウィリー・ネルソン、クリス・クリストファーソンロン・ウッド、クリッシー・ハインド、オージェイズエディ・ヴェダーパール・ジャム)、シニード・オコナー、トレイシー・チャップマンなどなど。


そのなかでも、とくに感動したひとつが、クラプトンが歌う「Don't Think Twice, It's All Right 」だった。切れ味の鋭いギターで、完全に、「くよくよするなよ」がブルースに生まれかわっている。



The 30th Anniversary Concert Celebration - Don't Think twice it's all right with E. Clapton
残念ながら映像がみつからないので、音源だけあげておきます。このギター、鬼気迫るでしょ。大好きなカバー・ソングです。