かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

リトル・リチャードとビートルズ。

f:id:beatle001:20200514034204j:plain
リトル・リチャードとビートルズ




ブログ仲間のジェレミーさんの記事を読んで、リトル・リチャードが亡くなったことを知りました。87歳。




timeflower.hatenadiary.jp




頭のテッペンから飛び出すような強烈なヴォーカルと、打楽器のように激しく連打するピアノ演奏。


まさにロックン・ロールの真髄!


リトル・リチャードは、ロックンロールをチャック・ベリーと二分する「キング・オブ・ロックンロール」だった。


ビートルズでは、ジョン・レノンチャック・ベリーのカバーでヴォーカルを担当し(ジョージも1曲カバーしている)、ポール・マッカートニーが、リトル・リチャードのヴォーカルを担当している。


公式スタジオ盤では、それほど多くカバーしていなくても、BBCのライブ盤などでは、レコードにない曲もカバーしていて、それを聴くのもBBCライブ盤のたのしみのひとつ。


そこでも同じく、チャック・ベリーは、ジョン・レノンで、リトル・リチャードは、ポール・マッカートニーの担当。


きっと、彼らはリバプールハンブルグの無名時代、チャック・ベリーやリトル・リチャードから受けるパワーを一生懸命自分たちのものにしていったのだろうな。



ボブ・ディランは、フォーク歌手としてデビューする前、ロックンロールが大好きで、そのころはリトル・リチャードのようにピアノを叩きながらロックンロールを歌っていたみたいです。


いまボブ・ディランは、ステージで、ギターではなく、ピアノを弾きながら歌っていますが、10代のころのボブってこんな感じだったのかな?(イメージをダブらせるには、いまのボブがちょっとシブすぎるが、笑)


ジェレミーさんが引用してくださったなかにあるボブ・ディランの追悼コメントには、少年時代、ボブ・ディランが憧れたリトル・リチャードへの賛辞が率直に語られています。
https://timeflower.hatenadiary.jp/entry/2020/05/12/190348



わたしがリトル・リチャードを聴くきっかけになったのは、やはりビートルズ


ビートルズの音楽を繰り返し繰り返し聴くのが一段落すると、彼らがカバーしているオリジナル曲を探して、聴くようになりました。オリジナル曲には、ブラック・ミュージックの魅力がいっぱいでしたが、それと同時にビートルズが、オリジナル・ナンバーをみごとに自分たちのものにしているのにもおどろきました。


聴いた感想としては、チャック・ベリーはそれほど強烈ではなく、ビートルズのカバーはチャック・ベリー本人よりも、激しいヴォーカルと演奏になっていることを知りました。


強烈さでいえば、一番はリトル・リチャードポール・マッカートニーは、彼のパワーに負けまいと、頭のテッペンから絶叫しています。


リトル・リチャードの代表曲をあげておきます*1。どの曲を聴いても変化球なしの豪速球!!

「Long Tall Sally」(ポール)*2「Lucille」BBCライブで、ポール)、「 Rip It Up」(ジョンがソロ・アルバム『ロックンロール』でカバー)、「Ooh My Sou」BBCで、ポール)l「Jenny, Jenny」(日本ではジェリー藤尾がカバー)、「Good Golly, Miss Molly」(日本では、内田裕也がカバーしていたかな。子供の頃で記憶が定かでないけど)、「Miss Ann」(映画『レット・イット・ビー』で、ポール)「Slippin' And Slidin'」(ジョンが、アルバム『ロックンロール』でカバー)。「Kansas City/Hey Hey Hey Hey」(ポール)*3



1970年代、「ロックンロールのリバイバル・ショー」が話題になっていた。


映画『ロックンロール』は、そのなかのひとつで、それまでレコードだけで聴いていた伝説のミュージシャンたちが一挙出演する、というロックンロールのファンにはたまらないライブ映画が公開された。


チャック・ベリー、リトル・リチャード、ジェリー・ルイス、ビルヘイリー&コメッツ、ボ・ディドリー、ファッツ・ドミノなどが出演。夢のようなロックンロール・ショーでした。


そのなかで、水玉模様のような上着を着て登場したリトル・リチャードは、ピアノの上によじ登って観客を煽り、演奏が終わると、「キング・オブ・ロックンロールはおれだ!」と叫んだ。



わたしの一番好きなリトル・リチャードの曲は、「ルシール」つるひめさんジェレミーさんのブログにコメントでいっている曲と同じ。


ポール・マッカートニービートルズとして)はBBCのライブでカバーし、ソロ(ウイングス時代)になってからは、1979年12月29日に開催されたカンボジア難民救済コンサート』で、目をまん丸にしながら絶叫している。


2017年にチャック・ベリーが去り(90歳)、今年リトル・リチャードも逝ってしまった。ロックンロールの草創期を築き上げたひとたちがいなくなってしまった。




最後に、いくつか映像をアップしておきます。





Little Richard - Lucille LIVE 1973
映画『ロックンロール』のリトル・リチャード出演シーン。




Paul McCartney & Rockestra - Lucille (Live in London 1979)
カンボジア難民救済コンサート」のポール・マッカートニー

*1:()内は、リード・ヴォーカル

*2:ビートルズのシングル盤。

*3:ビートルズのアルバム『ビートルズ・フォー・セール』収録。