12月24日、月曜日。祭日。妻と「川越スカラ座」へ、武正晴監督の『銃』を見にいくことにする。
その前に、、、
朝、川越温泉へはいってさっぱりする。そこで時間調整して、11時半に川越市役所近くの「川越スカラ座」へいき、チケットを2枚購入。少し時間があるので、ひさしぶりに川越の街を歩く。
右のちょっと高いのは、川越のシンボルといわれる「時の鐘」。
晴れてはいても、風が強くて冷たい。それでも、街を歩く観光客はおおかった。上映の12時少し前にもどって前から2列目に場所をとる。
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芥川賞作家・中村文則の同名デビュー作を「百円の恋」の武正晴監督のメガホン、村上虹郎と広瀬アリスの主演で映画化。
友人たちと青春を謳歌していた大学生の西川トオルは、ある日、雨が降りしきる河原で一丁の拳銃を偶然拾い、銃を手に入れたことで、トオルの心は言い知れぬ高揚感を覚えるようになっていく。
大切に家に保管してある銃を持ち歩き、街に出る。その緊張とスリルはトオルを満足させた。トオルは同じ大学のヨシカワユウコにも興味があったが、いつしか銃の存在感がトオルの中で圧倒的な位置を占めるようになっていく。
(「映画.com」より。全文は↓)
https://eiga.com/movie/89324/
武正晴監督、安藤サクラ主演の『百円の恋』は、おもしろかった。安藤サクラがボクシング・ジムへ通い、肉体改造していく話。ひきこもりの主人公が、ボクシング・ジムへ通い、からだをどんどんスリムにしていくストーリーで、ほんとうに安藤サクラのからだが鍛えあげられていくのがみどころ。詳しくは、以前こちらで感想を書いている。
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トオルは、大学へ通い、友だちとつるんで女の子をナンパ、連れ帰りのsexを楽しむ、そんな生活をしている。ふつうといえば、ふつうの学生。
ある日、雨のなかで銃を拾う。銃が生活のなかで重要な存在になってくる。
はじめは、アパートのなかに、拳銃を大切にしまっていたが、カバンにいれて持って歩くと、強い充足感をおぼえるようになる。
しかし、それと同時に、その拳銃を使ってみたい欲望にかられ、まずは公園にいる野良猫を狙い撃つ。
それから、少しずつ狂気がトオルを支配していく。
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見終わったあと、なにか満たされない感じ。
銃を何かに置き換えれば、そういう秘密が主人公に力を与えるものがたりは、前にも見たような、既視感をおぼえる作品。
例えば、河原の雑草のなかにある死体を共通の秘密にすることで友だちとの絆を深めていく、という、岡崎京子原作、行定勲監督、二階堂ふみ主演の『リバーズ・エッジ』(2018年)が思い浮かぶ。
しかし、『銃』は、『リバージ・エッジ』のようには、話がひろがらない。すごく閉鎖的な世界だ。
拳銃をもてば、最後はどんな欲望へいきつくのか?
だいたい想像したとおりになっていく。『百円の恋』のようなワクワク感はなかった。
[付記]
是枝裕和監督の『海街diary』でデビューした広瀬すずが、吉田秋生が描く原作の「すず」にそっくりで一発でファンになった。しかし、成長するにつれ可愛くなりすぎてアイドル化、いまはちょっとつまらない。女優としてはお姉さんの広瀬アリスのほうが、役どころがいろいろ変わっていて、おもしろい。ただ、この映画の役どころは、アイマイ。彼女が果てしている役割がよくわからない。
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もう一度川越の街へ出たが、風はさらに強くなっていて、歩くのも不自由なほど。
市役所の有料駐車場へおいてあったクルマへもどり、郊外へ昼食の場所をさがしにいく。