かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

映画『イエスタディ』ではなく「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の話ですが・・・。

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「ストロベリー・フィルズ」の門。




11月1日、金曜日。


もう一度、近くの映画館「イオンシネマ板橋」で、ダニー・ボイル監督リチャード・カーティス脚本による『イエスタディ』を見てきました。


見る前はそれほど期待していなかったこの映画が、つるひめさんやのんちさんのブログに煽られて、もう1度(ウソ、笑)。


ビートルズ不在の映画なのに、ビートルズへの愛情たっぷりの作品。製作者のこだわりがいっぱい感じられました。


映画の主人公・ジャックが屋上でやるライブ(ビートルズ最後のライブは、ロンドンのビルの屋上でおこなわれました)は、アビーロード・スタジオの屋上ライブを意識しているとおもいますが、その前にジャックは会場へ向かう前に、反対の裏口へ出てしまいます。


ドアをあけるとビルの外に階段がずっと続いていて・・・これはどこかで見たことがあるな、って気づいたひともおおいとおもいます。


映画『ハードデイスナイト(邦題:ビートルズがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!)』に登場する、バックに「キャント・バイ・ミー・ラブ」がかかるあのシーンではないかと(笑)。


コンサートがはじまる前、いつもビートルズはファンの騒動を避けるためもあって、会場の一室に監禁される(映画『ハードデイズナイト』の話ですよ)。


それが、偶然あいたドアから裏口へ出る。明るい空。下には、広い庭がある。


監禁からの解放・・・。


4人は一気に階段を駆け下り、広い中庭のなかで飛んだり跳ねたり走ったりして遊ぶ・・・。


映画『ハードデイズナイト』の印象的なシーンです。その裏口そっくりの階段が一瞬なんの意味なく登場して、懐かしさを誘います。


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階段を駆け下りたあと、中庭で遊ぶビートルズ




しかし、映画の話は二度目なので、ここまで。

ここからは名曲「ストロベリー・フィールズ」のことを。





The Beatles - Strawberry Fields Forever


「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」


一緒においでよ
ストロベリー・フィールズへ行くんだ
そこでは何もかもが幻
煩わしいものはひとつもない
ストロベリー・フィールズよ 永遠に


目をつぶっていれば生きることはたやすい
見るものすべてを誤解してしまうからね
出世するのは難しくなる一方だーーでも、どうにかなるものさ
どっちにせよ僕にはたいしたことじゃない


(略)


僕と同じ木に登っている人はいないみたいだ
つまり 高揚していようと 落ち込んでいようと
君が共鳴することはできないーーでも それでいいのさ
たぶん悲しむほどのことじゃない


(略)




シンコー・ミュージック出版『ビートルズ全詩集』より)


「ストロベリー・フィールズ」というタイトルは、映画『イエスタディ』にも登場する孤児院の名前からとっています(いまは孤児院としての役割を終えて、ビートルズゆかりの観光名所となっている、らしい。行ったことがないので)。


主人公のジャックが、ビートルズを歌うならビートルズが育った街、歌われた場所を知らなければいけない、と考え、ビートルズが生まれ育ったリバプールを訪ねる、そのなかで、この孤児院がじっさいに出てきます。


ジョン・レノンは、少年期に遊んだ近くの孤児院の名前をタイトルにして、この曲を書きました(ジョンがこの孤児院で育ったわけではありません)。


ビートルズ中期の名曲で、いまもわたしの大好きな曲です。


歌詞だけでなく、サウンドも当時は聴いたこともないような幻想的な曲で、発表当時(1967年)は、正直いってすぐにはよさがわかりませんでした。


発表するシングルが連続してNO.1になっていたビートルズなのに、このシングル(「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」/「ペニー・レイン」)は、イギリスで2位どまり。


ファンは、ビートルズの変化に戸惑っていました。


当時はビートルズの人気に陰りが、といううわさも出るくらいでしたが、しかし、いまではビートルズの数あるシングル盤のなかでも、最強のシングル・レコードだといわれています。


曲も変わってましたが、4人が髭をはやしてプロモーション・フィルムに登場。最初は誰もが一時的な映像用の姿だという認識でしたが、彼らはそれからずっと髭を剃ったり、伸ばしたりして、アイドル像から逸脱していきます。



わたしは、前年の1966年に日本武道館で見たビートルズとはまるでちがった風貌におどろきました。



ビートルズはどこへ行こうとしているのだろう?


「ストロベリー・フィールズ」を聴きながら、わたしは戸惑いながらもワクワクしている18歳でした。






ロンドンのアビーロード・スタジオ前の横断歩道と同じように、「ストロベリー・フィールズ」前の門で記念撮影をするひとも多いようです。


わたしの息子も、やっぱりこの門の前で記念撮影を撮ってました(笑)。