かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

悲しいけれど、いい映画だった〜トラビス・ファイン監督『チョコレートドーナツ』。

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2ヶ月ほど前、Amazonプライムで見たトラビス・ファイン監督『チョコレートドーナツ』(2012年製作)が、よかった。

同性愛に対して差別と偏見が強く根付いていた1970年代のアメリカでの実話をもとに、育児放棄された子どもと家族のように暮らすゲイカップルの愛情を描き、トライベッカやシアトル、サンダンスほか、全米各地の映画祭で観客賞を多数受賞したドラマ。




(「映画.com」)から
https://eiga.com/movie/79764/


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酒場のショーダンサー・ルディ(アラン・カミングに、弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)はひと目惚れ。ふたりは恋人同士に。


この男性同士のカップルが、ルディのアパートの隣りの部屋に住むダウン症の子供・マルコを育てようとするーー話。


マルコの母は子供への愛情が希薄で、仕事なのか欲望なのか、頻繁にちがう男を部屋にいれ、マルコを部屋の外に出してしまう。


マルコは、人形をかかえ街をひとりでさまよう。


マルコのおかれた状況に危惧をいだいたルディは、自分の部屋へ連れてくる。


見るに忍びなく、ルディは自分でマルコを育てようとして、弁護士のポールにも協力をたのむ。


はじめは気のりがしなかったポールだったけれど、好きなルディのたのみに渋々承知する。


ルディとポールは、次第にダウン症のマルコに深い愛情を感じるようになり、愛情の希薄な母親からひきとって育てようとする。


マルコもふたりといると幸せそうに笑う。


マルコの母は、放置していたのにもかかわらず、マルコの親権を、ルディとポールにゆずることを拒否する。


マルコをめぐって裁判がはじまる。




母に部屋を出され、人形をだきながらひとり街をさまようマルコ(アイザック・レイパ)が、涙を誘う。


「好きなものはなに?」とルディに問われ、マルコは「チョコレートドーナツ」と答える。これが邦題のタイトルになっている。


原題は、『Any Day Now』。劇中でルディが歌うボブ・ディラン「アイ・シャル・ビー・リリースト」の歌詞からとられている。ディランの名曲のひとつ。


ザ・バンドの解散ライブを撮った映画『ラスト・ワルツ』(1978年映画公開)では、最後に出演者全員でこの歌が歌われた。




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映画のなかでルディが叙情的に歌う「アイ・シャル・ビー・リリースト」。





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映画『ラスト・ワルツ」の同曲。ボブ・ディランほか、多数が出演。