11月16日(火)、晴れ。
「イオンシネマ板橋」へ、杉野希妃プロデュース、万田邦敏監督『愛のまなざしを』を見にいく。
こういうインディーズ系の作品をときどき上映してくれるのが、シネコンでも「イオンシネマ板橋」のうれしいところ。
「UN loved」「接吻」の万田邦敏監督が、仲村トオル演じる亡き妻への思いを捨てきれない男と、杉野希妃演じるその男に恋をする女が織りなす嫉妬と復讐と救済を描く。
(「映画.com」から)
https://eiga.com/movie/93784/
杉野希妃は、プロデューサーとして、多くのユニークな作品に携わっている。今回は、プロデュース(共同)とともに、ダークなヒロインを演じている。この杉野希妃演じるヒロインが怖い。
妻を亡くした精神科医・滝沢(仲村トオル)のクリニックへ、綾子(杉野希妃)がやってくる。死んだ妻に「もう他の女を愛さない」と誓った滝沢だが、美しい綾子に惹かれていく。
綾子は激烈な女だった。滝沢の死んだ妻へ嫉妬し、毎分のように自分への愛情と忠誠を確認してくる。
滝沢のもとに妻・薫(中村ゆり)があわられる。滝沢のこころのなかの葛藤を可視化したもの。
妻への断ちきれない未練と綾子への激しい愛情とが交錯して、滝沢はこころのバランスを失う。
★
綾子は、どう愛の言葉を表現しても、滝沢の愛情に満足しない。さらなる強い愛のあかしを求めてくる。
綾子に呼び出されると、滝沢は、予約している患者をすっぽかして、逢いにいく。悪い評判がたって、患者もこなくなる。
滝沢は破滅に向かっていく。
★
ミステリーとしては、綾子が滝沢にいう過去はすべて嘘。彼女のまことしやかな嘘がだんだん明らかになってくる。
杉野希妃演じる綾子の強烈な情念を受けとめられる男がいるのか。以前杉野希妃が監督・主演した『雪女』より怖い。
こんな怖い杉野希妃を見たことがない。