かぶとむし日記

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ドキュメンタリー映画『教育と愛国』を見る(5月16日)。




5月16日(月)、雨。
「シネリーブル池袋」へ、斉加尚代(さいか・ひさよ)監督『教育と愛国』を見にいく。







映画『教育と愛国』予告編。
www.youtube.com



INTRODUCTION

イントロダクション


ひとりの記者が見続けた“教育現場”に迫る危機
教科書で”いま”何が起きているのか?


いま、政治と教育の距離がどんどん近くなっている。


軍国主義へと流れた戦前の反省から、戦後の教育は政治と常に一線を画してきたが、昨今この流れは大きく変わりつつある。2006年に第一次安倍政権下で教育基本法が改変され、「愛国心」条項が戦後初めて盛り込まれた。


2014年。その基準が見直されて以降、「教育改革」「教育再生」の名の下、目に見えない力を増していく教科書検定制度。政治介入ともいえる状況の中で繰り広げられる出版社と執筆者の攻防はいま現在も続く。


本作は、歴史の記述をきっかけに倒産に追い込まれた大手教科書出版社の元編集者や、保守系の政治家が薦める教科書の執筆者などへのインタビュー、新しく採用が始まった教科書を使う学校や、慰安婦問題など加害の歴史を教える教師・研究する大学教授へのバッシング、さらには日本学術会議任命拒否問題など、⼤阪・毎⽇放送(MBS)で20年以上にわたって教育現場を取材してきた斉加尚代ディレクターが、「教育と政治」の関係を見つめながら最新の教育事情を記録した。


教科書は、教育はいったい誰のものなのか……。




(公式サイトから)
https://www.mbs.jp/kyoiku-aikoku/


子供たちの学校教育への不安は、わたしのなかにいつもあったし、いまもある。


真っ白な状態の子供達に、政府や文部科学省や教員は何を教えようとするのか。


それによって、どんな子供たちが育っていくのか。


わたしは安倍晋三以来の自民党がすすめる右傾化教育に、強い不信感があったので、実情を知りたくて見にいった。


教科書の近代史に愛国心を盛り込む。道徳教育を強化する。


アジア・太平洋戦争では、加害の記述が、愛国心を損なうものなので削除すべき方向へすすむ。


関東大震災でおこなわれた朝鮮人虐殺。小池百合子都知事は、追悼文を寄せることをやめた。


従軍慰安婦問題は、戦争へいった兵士たちのさまざまな証言が残されているのに、なかったことにしようとしている。


「あいちトリエンナーレ」では、「表現の不自由展」の慰安婦像にクレームがはいった。


黒く塗りつぶせば「なかった」ことになる、とおもっているのは、公文書も書き換えてしまう今の政府のやり方とも共通している。


菅政権時代の「学術会議の任命拒否問題」も、まだ解決されないまま放置されている。


映画『教育と愛国』は、教科書で、子供たちに歴史の事実を伝えていこうとするひとたちと、事実よりも「愛国心」を妨げる記述は削除しようとするひとたち・・・それぞれの意見を並べて、わたしたちに考える材料を提供している。


それと、これはいま危機に瀕している日本国憲法」をどうわたしたちが考えるべきか、という問題にも通じている。



斉加尚代監督、製作への思い。
www.youtube.com