かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

深田晃司監督、木村文乃主演『LOVE LIFE』(9月14日)を見る。




9月14日(水)。晴れ。
午後1時5分から、日比谷の「TOHOシネマズシャンテ」へ、深田晃司監督、木村文乃主演の『LOVE LIFE』を見にいく。


日比谷へはなんどもいっているので油断していたら、有楽町線「有楽町駅」で降りてから、道に迷ってしまった。地下鉄の出口がちがっていたみたいだ。


途中にある「ドトール」でコーヒーを飲むつもりでいたが、満席で断られた。


「TOHOシネマズシャンテ」の4階、売店でコーヒーを買って、ロビーで、ブレイディみかこ『ワイルドサイドをほっつき歩け』(Kindle版)を読みながらスタート時間を待つ。



深田晃司監督、木村文乃主演『LOVE LIFE』。

「淵に立つ」でカンヌ国際映画祭ある視点部門の審査員賞を受賞するなど、国際的に高い評価を得ている深田晃司監督が、木村文乃を主演に迎えて描く人間ドラマ。ミュージシャンの矢野顕子が1991年に発表したアルバム「LOVE LIFE」に収録された同名楽曲をモチーフに、「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を描いた。




(「映画.com」より)


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妙子(木村文乃は、息子・敬太(嶋田鉄太)を連れて、二郎(永山絢斗)と再婚。


幸せな生活をしていた。


が、家の中でのちょっとした事故で敬太が亡くなり、平穏な生活が崩れていく。

葬儀場に突然現れたのは、行方不明になっていた妙子の前夫・パク・シンジ(ろうあ者。敬太の父=砂田アトム)


パクは周囲をかまらず敬太の棺にすがって泣き、無遠慮に妙子に近づいて思い切り平手で打つ。


周りを気遣って必死に悲しみをこらえていた妙子は、パクに頬を打たれて感情が抑えきれなくなり、声を出して思い切り泣き出す。パクと妙子がいっしょに泣く。妙子は救われた。


パクは、路上生活者で、ろうあ者だった。妙子は、愛情が再燃したわけではないが、パクをほおっておけない。


彼に生活保護を受けさせ、なにかと身のまわりの世話をするようになる。ハンデのある者を見過ごせない妙子の性格が見えてくる。


そもそも、妙子は、ろうあ者の韓国人を、ほおっておけず結婚したのではないか、と観客に想像させるところ。


しかし、それが現在の夫・二郎を不安にさせる。


そしてパクが親族の葬儀があるので郷里へ帰るというと、その金を用意してあげるだけでなく、妙子は心配だから韓国までついていく、という。


ふつうに考えて常軌を逸しているが、ここからドラマ性が強くなってくる。


韓国へ帰ったパクは、妙子が思う単純な弱者ではなかった。葬儀で韓国へ帰る、とお金を工面してもらったのは、パクのウソだった。妙子は、パクのちがう顔を見る。


‥‥あとはどうなるだろう?(笑)


そんな映画だった。


わたしは木村文乃の顔立ちが好きなので、少し粗めなスジ運びも我慢できた。


そして監督は、深田晃司


どちらも平穏な暮らしのなかに、一点の亀裂が生じてそれが生活を狂わしていく作品。深田晃司監督は、派手な演出でなく、落とした一滴の墨汁がじわっと広がるようにその様を描いていく。


ホラーでもスリラーでもないが、こころがザワザワさせられる。


『LOVE LIFE』は前の2作ほどは怖くなかった。



気候も少し涼しくなったので映画のあと日比谷公園を歩く。ひさしぶり。







花壇のベンチで30分くらい本を読む。こういうときは、1ページの文字数が少ないが、軽便なiPhoneの方が使い勝手がいい。


こっちでは、新興宗教を素材にした中村文則の『教団X』を読みはじめる。



JR「有楽町駅」から、上野へ出て、立飲み「たきおか」へ寄る。平日の昼間なのに、いつもそうだが、アメヨコは、ひとの声がワンワン反響している。


瓶ビール(大)の一杯目が喉にしみた(笑)。