かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

「ボブ・ディラン30周年記念コンサート」で、シニード・オコーナーは涙ぐみながら「WAR」を歌った。


シニード・オコナー。



1992年10月、ニューヨークの「マジソン・スクエア・ガーデン」で、ボブ・ディランのデビュー30周年を祝うコンサートが開催された。


エリック・クラプトンニール・ヤングジョージ・ハリスンザ・バンドジョニー・キャッシュ&ジュン・カーター、スティーヴィー・ワンダージョニー・ウィンターなど豪華なミュージシャンが、それぞれボブ・ディランのナンバーを歌い、演奏した。


そのなかで、ひとりだけボブ・ディランの楽曲を歌わなかったミュージシャンがいた。


シニード・オコナー。


彼女は、このコンサート前にローマ法皇の幼児虐待に対して抗議行動をし、民衆の反感を買っていた(詳しくは映像のなかで解説されています)。


シニード・オコナーは、ボブ・ディランの「アイ・ビリーヴ・イン・ユー」を歌う予定で、バック・バンドもステージで準備していた。


しかし、会場のブーイングが鳴りやまず、彼女は予定していた曲をやめ、アカペラでボブ・マーリーの「WAR」を歌った。


そのときの映像がYou Tubeにあって、久しぶりに、あのときテレビ放映で見た驚きを追体験したので、貼っておきます。



和訳と解説付き。www.youtube.com




7年後の1999年、そのとき歌われなかったボブ・ディランの「アイ・ビリーヴ・イン・ユー」を彼女が歌った映像があったので、貼っておきます。ディランの「アイ・ビリーヴ・イン・ユー」は美しい曲です。
www.youtube.com

「アイ・ビリーヴ・イン・ユー」(和訳)


ヤツらはどんな気分だと訊いてくる
オレの愛が本物なら
オレはやり遂げられるとわかってる
ヤツらはオレを見て 眉をひそめる
オレをこの街から追い出したいようだ
オレにこの辺にいて欲しくないようだ
なぜならオレはお前を信じてるから


ヤツらはオレにドアを見せて
二度と戻ってくるなと言う
ヤツらの思い通りにはならないから
オレは自分で歩いて出ていく
家から千マイルも離れても
オレは寂しくない
なぜならオレはお前を信じているから


涙と笑いに関わらず オレはお前を信じてる
オレたちが離れていても オレはお前を信じてる
明日の朝になっても オレはお前を信じてる
おお 夜明けが近づいている
おお 夜が消えていく
おお この気持ちはまだオレの心にある


遠くにオレを漂わせないでくれ
お前のいる所に留めてくれ
オレがいつも生まれ変われるところへ
お前が今日オレにくれたものは
オレが買えるもの以上の価値がある
ヤツらがなんと言おうと オレはお前を信じてる


冬が夏に変わる時 オレは君を信じてる
白が黒に変わる時 オレは君を信じてる
オレが少数派になっても オレは君を信じてる
おお 地球がオレを揺り動かしても
おお オレの友人がオレを見捨てても
おお オレを戻すことができなかったとしても


オレの心を変えないでくれ
オレを引き離しておいてくれ
ヤツらがたくらむ全ての計画から
オレは痛みを気にしない
激しい雨も気にしない
オレは持ちこたえることができるだろう
なぜならオレはお前を信じているから



(「おやじのロック日記Ⅱ」より拝借)
https://ameblo.jp/bbkosi/theme-10109363765.html

【註】

「アイ・ビリーヴ・イン・ユー」は、ゴスペル三部作の1枚、アルバム『スロー・トレイン・カミング』(1979年発表)に収録されている曲。対象が神であるとしたら「お前を信じる」は、「あなたを信じる」と翻訳した方が原曲のニュアンスに近いかもしれません。