サルバドール・ダリ 「目を覚ます1秒前、ザクロの実の周囲を1匹の蜜蜂が飛び回ったために見た夢」
9月2日㈯、炎暑。
「新宿武蔵野館」へ、メアリー・ハロン監督の『ウェルカム・トゥ・ダリ』を見にいく。
新宿駅構内の「カレー&コーヒー・ショップ」で、スパイス・カレー(まあまあ辛い)を食べる。コーヒーを飲む時間がないのは残念。食べてすぐ映画館へ向かう。
名優ベン・キングズレーが20世紀を代表する天才芸術家サルバドール・ダリを演じ、その奇想天外な人生を描いた伝記映画。
(「映画.com」から)
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美術に疎いほうだけど、サルバドール・ダリの絵はすぐ頭に浮かぶ。
ダリの作品は、徹底した写実主義(?)なので、見て何もわからない、ということはない。わからなくても「へえ」とおもうくらいはできる(笑)。
サルバドール・ダリ「茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感)」
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1960年代になっても、ダリは、シュールレアリズムの画家として、人気が高かった。
奔放な想像力で描かれた絵画は、1960年代後半に台頭したアシッド・ロックとの親和性も高かった。
(メモ:アシッド・ロック=『acid rock』は英語で「LSD幻覚風の音楽」を意味する。 元々は1960年代後期にヒッピー&サイケデリック・ムーブメントのなかでドラッグとの関わりを背景に生まれたロック音楽がルーツ。⇒「ウィキペディア」より)
「アシッド・ロック」のロック・バンドとは、例えば、
- クリーム
- ジミ・ヘンドリックス
- ヴァニラ・ファッジ
- ドアーズ
- ジェファーソン・エアプレイン
- ピンク・フロイド
- 第一期ディープ・パープル
などが思い出されるけど、きちんとした境界があったわけではない。一時期、アート・ロックという呼ばれ方をされていたが、すぐにその呼び方は消えてしまったようだ。
ダリの絵画を見るのは、そういう新しく登場したロックを聴いている陶酔感に近かった(特にわたしは)。
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映画は、ダリのアシスタントをつとめた青年の目を通して、サルバドール・ダリという天才画家の奇妙・奇天烈な生活が描かれる。
しかし、どうも、わたしはこういう奇抜な天才に惹かれていかない。天才画家でもどうでも、常軌を逸した人間にはイヤ気がさしてくる。
思い上がっているとしか思えない。自分は特別、天才はどんなわがままも許される、と。
天才のわがままにふりまわされる青年にも共感がもてない。
ダリの絵を見、新しいロックを聴きはじめた時代を思い出したが、映画には共感を覚えなかった。
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川越で妻と待ちあわせているので、居酒屋へ寄らず、まっすぐ川越へ向かう。