歴史的な恋愛映画『カサブランカ』が日本で公開されたのは、1946年6月20日(ウィキペディア)。敗戦の翌年だ。わたしは生まれていない。
はじめはどんな媒体で見たのだろう。記憶がない。
映画館では、あとになって、神保町にあった、今はなき岩波ホールで見た。
そしてイングリット・バーグマンの美しさに、世の中にこんな美しいひとがいるのか、とおもい、見惚れた。
岩波ホールで見たのは、20歳を超えたころで、その前にバーグマンが出演している映画は、何本か見ている。
このくらいかな。どの映画も、バーグマンは美しかった。
けど、『カサブランカ』のバーグマンは、特別だった。アップになった表情を見ているだけで、魂をぬかれた(笑)。
いや、ほんとうに。「一目惚れ」というのは、こういうことなのかとおもった。
映画も切なかった。
第2次世界大戦下の1941年、アメリカへ行くためには必ず通らなければならない寄港地だったフランス領モロッコのカサブランカ。そこで酒場を営むアメリカ人リックのもとに、かつてパリで恋に落ちたものの、突然目の前から姿を消した恋人のイルザが、夫で反ナチス活動家のラズロを伴って現れるが……。
(「映画.com」から)
https://eiga.com/movie/43303/
反ナチの活動を続ける夫が不在のときに、イルザ(バーグマン)は、パリで、リックという男(ハンフリー・ボガード)と知り合い、恋してしまう。しかし、イルザは夫のいることを、リックにいえない。
パリでの、幸せな恋人時代は、夫の帰還とともに終わる。イルザは、リックに何も告げず、突然姿を消す…。
★
夫とカサブランカへやってきたとき、イルザは、酒場を経営しているリックと偶然再会する。リックは、イルザを憎んでいた。あれから、ずっと。
リックは、ふたりの想い出の歌「時の過ぎゆくままに(As Time Goes By)」を、決して歌わないよう、酒場のピアニスト、サム(ドーリー・ウィルソン)に固く命じてあった。
その禁じてあった曲を、ピアノを爪弾きながらサムが歌っている。リックは、血相を変えて、奥から飛び出してくる。
リックがサムを叱ろうとしたとき、サムは、目で合図する。
傍らに、想い出の、しかし、自分を裏切って失踪した女がいた。
映画は、ここから、息がつまるような切ないクライマックスへ向かっていく。
★
『カサブランカ』には、一度は言ってみたいキザなセリフが登場する。
こんな感じ……。
酒場の女がリックに迫る。男はつれない。
- 女「昨日、何していたの?」
- リック「そんな昔のことは憶えていない」
- 女「今夜会える?」
- リック「そんな先のことはわからない」
このセリフは実際に試したことはない。残念だけど、試すような状況になったことがない(笑)。
もうひとつ。
女性とお酒を飲むときに、勇気を出していってみる。
「君の瞳に乾杯!」
これはけっこう乱発した(笑)。
反応は?
相手は、たいがいニヤニヤ笑っていた。
★
何日か前、『白鍵と黒鍵の間に』という映画を見た。映画のなかに、ボスの命令で酒場で歌っちゃいけない歌(「ゴットファザー愛のテーマ」)が出てくる。
設定の共通性からか、ずっと名作『カサブランカ』の映像や「時の過ぎゆくままに」のメロディが頭の中を流れている。
で、それにふさわしい映像を、You Tubeにみつけた。
「777mylene」さんの動画から。7分23秒。
www.youtube.com
突然だけど、今日はこれで終わり(笑)。
わたしの想い出につきあわせてすみません。少しでも、懐かしさを共有できたらうれしいです。