10月18日㈬。
池袋の「グランドシネマサンシャイン」へ、塩田明彦監督の映画『春画先生』を見にいく。
少し時間が早かったので、公園の日陰を探して、Kindle書籍リーダーで、奥田英朗の『コメンテーター ドクター伊良部』を読む。人気者、「トンデモ精神科医・伊良部先生」が活躍するコメディ。
に続く、「伊良部」シリーズ4冊目。
最初に登場したときの新鮮さは薄れたものの、やっぱりおもしろい。『町長選挙』から17年ぶりだという。そんなに経ったんだ、まったく。
奥田英朗は、むかしから比較的読んでいる。作品の内容は多彩だ。わたしのなかでは、吉田修一と双璧の存在。ただ、誰かに話すとき、ときどきその作品がどっちの作家のものだったかわからなくなるときがある。
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13時5分から、『春画先生』上映スタート。
江戸文化の裏の華である「春画」に魅せられた型破りな師弟コンビが織りなす春画愛を描いたコメディドラマ。
(略)
映倫審査ではR15+に指定され、商業映画としては日本映画史上初めて無修正の浮世絵春画がスクリーン上映される作品となった。
(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/99546/
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春画先生こと芳賀一郎(内野聖陽)のお弟子さんになった春野弓子(北香那)は、春画の世界に関心をそそぎながらも、その研究に没頭する芳賀一郎に深く惹かれていく。
前半は、お茶会でもひらくように、着飾った女性たちが集まって、春画の鑑賞会が開かれ、蘊蓄(うんちく)が語られたりする。
が、芳賀一郎の弓子への偏愛が深まっていくと、春画の映画というより、「マル・キド・サド」の世界みたいになってくる(わかりますかね、笑)。
つまらなくはないが、おもしろくもない。ただ、弓子を演じた北佳那(きたかな)という女優が可愛いかった。
可憐な少女といえば、むかしマル・キド・サド原作の映画を1本だけ見たことがある。
今回あらためて調べてみたら、『マルキ・ド・サドのジュスティーヌ』(監督:ジェス・フランコ。1969年)というタイトル。
主演女優の名は、ロミナ・パワー。彼女のポスターに惹かれたのと、「マル・キド・サド」への好奇心とで見にいった。十代後半、「好奇心いっぱい」の年齢で、ドキドキしながら見ていたが、主演のロミナ・パワーはほんとに可愛かった。
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『春画先生』は、コメディだがあまり笑えず、わたしの狭い予備知識では、そんな古い映画を想い出したくらいで、あとは…。
要するに、春画は呼び水で、少女をいじめて悦ぶソフト・タッチの偏愛映画。あまり成功しているとはおもわなかったが…。
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帰り池袋東口の居酒屋「青龍」へ寄る。
ビール、ホッピー、酎ハイを飲みながら、「トンデモ精神科医・伊良部博士」が活躍する奥田英朗著『コメンテーター』を読む。痛快也!