かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

映画『コーポ・ア・コーポ』と「長屋もの」。




11月18日㈯。
朝、夢を見る。


雑にまとめると・・・。

恋人らしきひとと、何かから逃げている。示し合わせた本屋さんで落ち合う。無事に会えてホッとする。


安心して本棚を眺めていたが、そのうち彼女の姿が見えなくなる。本屋さんの中を回っても、見あたらない。本屋さんの周辺をさがしても、いない。


彼女に何かあったのか・・・焦ってくる。


そうだ、とおもって彼女の携帯へ電話してみると、つながった。



「どこにいる?」と聞くと、
「うちにいる」と何もなかったように、フツーの声でいう。


安心したが、だんだん腹が立ってくる。


夢に出てきた女性の顔がおもいだせない。そもそも知っている女性だったろうか。



11時15分から、「イオンシネマ板橋」で、仁同正明(じんどう・まさあき)監督の『コーポ・ア・コーポ』を見る。


仁同監督の映画を見るのは、はじめてだけれど、『コーポ・ア・コーポ』はおもしろかった。


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[安アパートの住人たちをめぐる群像劇]

  • フリーターのユリ(馬場ふみか)。
  • 女性に貢がせてなんとか暮らしている中条絃(東出昌大)。
  • 女性の扱いに不器用な日雇い労働者の鉄平(倉悠貴=くら・ゆうき)
  • 善良なのか怪しいのかわからない老人・宮地友三(笹野高史)。
  • 人と会うと、タバコを交換したがるおばちゃん(藤原しおり)


ひとりひとりの登場人物が、きっちり描き分けられているので、わかりやすい。みんな、貧しくて、たよりなくて、あったかい。一生懸命生きているのに、どこかのんびりしている。わたしは、こういう作品が好きみたいだ。


原作は、岩浪れんじのコミック『コーポ・ア・コーポ』(全6巻)。4巻まで読んでみた。映画に比べると、登場人物が多い。映画は、「コーポ」の住人に話をしぼっているので、すっきりしている。映画化の脚色、正解だとおもった。



むかし見た「長屋もの」の映画。


黒澤明監督『どですかでん』(1970年)、是枝裕和監督『花よりもなほ』(2006年)。最近では、荻上直子監督『川っぺりムコリッタ』(2022年)などが思い浮かぶ。どれもおもしろい。


しかし、「長屋もの」は、落語が本家かもしれない。


落語の「長屋もの」は、大家さんから住人まで、登場人物の個性が豊富だ。「長屋もの」で、ひとつのジャンルを形成している。むかしは、図書館のカセット・テープを借りたが、いまはYou Tubeで、いつでも聴けるのがうれしい。


そういえば、最近読んだ吉田修一の小説『永遠の横道世之介』も、じかに「長屋もの」ではないけれど、色とりどりの人物がひとつの下宿に集まっているという意味で、「長屋もの」の味わいがある。


脱線してしまったけど、映画『コーポ・ア・コーポ』は、笑わせてくれた。


映画館を出て、最近よくいく居酒屋へ寄る。